[ January - 2005 ]
---------- 目 次 ----------
ごあいさつ
今月のお花つれづれ
〜【1月は静かなお花やさん】〜
Ellie の1月のアレンジメント
〜【鮮やかな黄色のミモザ】〜
Ellieのつれづれ日記 - 今月の思い出話
〜【「楽しいキッチンツールでハッピーになる!(後編)」の巻】〜
編集後記
お知らせ

ごあいさつ

とうとう来たか、という大雪が降りました。降るとなったら、どかーんでした。気温もかなり低く、マイナス10度以下がしばらく続き、NYの真冬の厳しさを感じさせられる日々が続きました。

その大雪の日は、ちょうど休みの土曜日だったから、その週末は、私はのんびり構えてゆったりと過ごすことができました。雪かきはもう子供たちの仕事になったからです。昔、子供たちが小さかったときは、雪が降るともう雪かきのことで憂鬱でした。その当時広い駐車場付きの家に住んでいて、普段はゆったりしていていいのですが、雪かきの重労働には参りました。

幸い、私は腰を痛めるまでにはいたらなかったのですが、よく雪かきの後に腰が悪くなる人がいて大変そうです。運悪く、我が家のインターネットの調子が悪くなり、いつも見てくれる人が腰を痛めたため来てもらえず、しばらく我が家のPC関係がうまく繋がらず、それはいらつきましたが・・・。

雪が降るのは別に構いませんが、その後の道路事情と道のどろどろの悪さには閉口します。その合間を縫っての花の仕入れも大変です。でも、元気のよい生徒さんたちへのレッスンが待っていますから、雪が降ったからといって勝手にキャンセルは致しません。なんとかクラスに来てくださいって、感じです。雪の日もめげず、楽しい授業をすることができてホッとしています。

今月のお花つれづれ

今年の正月は、KALE(ケール)というキャベツのおもちゃ?みたいな花?を使って、我が家の玄関を飾りました。それに、ハイペリコムという赤の実のついた枝物と柳と・・・をあわせて、シックなお正月の雰囲気を出しました。

この花?をいったい花と呼んでよいのかどうかわかりませんが、一応花やに売っているのだから花の一種でしょう。いわゆる、冬の庭を飾る、葉牡丹の小型版です。紫と薄きみどりがあります。やはり、冬の花として扱われるので、季節を現すのにはよいと思います。

1月のお花やさんは、ひっそりしています。喧騒のクリスマスが終わって一時休止という感じで、2月14日のバレンタインに備え始めます。バレンタイン1ヶ月前になると、もうすっかり店の様子は様変わりして、ハートと赤とピンクで派手な飾り付けでいっぱいになります。

去年のバレンタインの売上状況を見て、今年はいったいどれだけの赤の薔薇を仕入れるか決めなくてはなりません。また、デリバリーの車や人の手配もします。アレンジメントのデザインやパッケージやりぼんの手配、準備などなど、花やの大イベントに向けて、店の中は密かに忙しくなります。

いつも私が行く花の仕入れ問屋には、今年は1月に入ってからほとんどメジャーな花がなくなり、いろんなアレンジの花合わせに苦労しました。去年、これほどなかったかな?と思いながら、今年はとても花が少ないような気がしました。いったいどうしたのでしょう。もう、バレンタインの準備だからね、とお店の人たちはいうのですが、本当にそれだけかな?と気になります。

頼りにしているその問屋さんが花いっぱいだと、安心してアレンジができます。しかし、花の商売はどうしても無駄な花がでてしまいがちですから、しっかり仕入れ状況を見守らなくてはなりません。問屋さん、頑張ってという感じが2週間ほど続いたような気がします。

さて、もうそろそろ花の値段が上がり始めるころです。いつもの定番の花も高くなるのですから、気をつけないと予算オーバーになってしまいがちです。

Ellie の1月のアレンジメント

とっても鮮やかな黄色のミモザが入荷していました。新春にふさわしい華やかさがあり、ボリュームもたっぷりです。

ブルーのデルフィニウムもそれに負けず鮮やかブルー。花付きもよく、一つ一つの花びらがはっきりしていて、なんか気持ちがいいという感じがしました。

今回は、黄色の薔薇と白のゆりがフィラー(空間を埋めるお花)というか、脇役になってしまいました。鮮やかなブルーと黄色を引き立てるには充分すぎるりっぱな花です。これで、豪華な新春のアレンジができました。

あちこちから、春の息吹の黄色いダッフォデイル(水仙)がかわいらしく顔をのぞかせます。春はもう少しだよ、と告げているように。

黄色は元気が出る色です。今年は元気いっぱい何事にも全力投球、という気持ちを込めて、元気が出るアレンジを意識してみました。不思議なことに、活け終わってからほんとに元気が出てきた感じがしました。ミモザのゆるやかなカーブのラインが優雅さを演出してくれます。

と、いうことで、今年のテーマは、「元気と優雅」ということにして、いえ、それに「かわいらしさ」もプラスして、欲張りに?これからもますます頑張りたいと思います。

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Ellieのつれづれ日記− 今月の思い出話

「楽しいキッチンツールでハッピーになる!(後編)」の巻

※ 書いているうちに思った以上に長くなり、今回は2回にわたってお送りしています。先月号は、前編として前書きを書きました。バックナンバーは HPのニュースレターのコーナーからどうぞ。)さて、今月号は、いよいよOXOの会社に潜入した体験談を・・・。チェックしてほしい関連のアドレスは、www.oxo.com

OXOのオフィスの真中にどーんと大きなオープンキッチンがありました。ミーティングルームも兼ねている様子です。色とりどりのやかんがあり、おなべがぶらさがり、コーヒーメーカーが各種あり、なんかわくわくしながらお仕事できそうな雰囲気のオフィスです。

OXO のオフィスの中で、ひときわ目を引く壁の一角がありました。それは、壁いっぱいに飾られている、様々な形と大きさの手袋軍団のコーナー。それを見つけたとたん、みんな思わず走って行って、「えーっ、OXO は手袋も作っているの? 」と、3人一斉に質問しました。

そこは、オクソーの社員たちが、街に落ちている手袋を見つけると持ち帰って壁に飾ることになっているコーナーなんだそうです。どんな手にもフィットする商品を作るというコンセプトを忘れることのないように、との理念の基に。

それは、遠くからみると、まるで手袋のモザイクのようで、いろんな色とサイズがおもしろいように壁飾りとなってしまっているのです。最高傑作は、左上につるしてあった野球のグローブのミトン。えっ、これにも合うようにも作るって??このユーモアがなんともアメリカの会社らしいではありませんか。

私たちがきゃっ、きゃっ、言っていたところに、現社長が挨拶に現れました。若くて、ハンサムな中国人の社長です。あのサム氏は、今は80歳になり、会長になっているとのこと。80歳のお祝いにサプライズパーティを会社全員でしてあげて、大喜びだったそうです。和気あいあいの会社の様子が伺えました。Sさんが、ちゃんと社長だと紹介しているのに、Y氏は、全然本気にしません。あまり若いので(いや、たぶん若く見えるから?)「冗談かと思った」の連発。Sさんが苦笑していました。でも、かなりばりばりのやり手そうな人です。

プロダクトサンプルルームに入ると、おもしろいキッチングッズがずらりと並んで、私たち3人はもう夢中。まるでオモチャを手にとる子供のようですから「ねぇ、これは何?どうやって使うの?」の連発です。各商品にうんちくがありますから、それぞれ聞いていてとてもおもしろいものです。

いろいろ手にとっては、「なるほど。こうなっているのね。」とか、「さすがにこれは使い勝手がよくできているね」と、それが商品の握る角度だったり、素材だったり、太さ大きさだったりに感心しながら、時間を忘れ、しばし私たちは遊んでしまいました。3人とも料理大好き人間だから・・・。

一応、ほとんどウチにあるものばかりだけど、こうなったらウチのものと総とっかえしたい気分になってきました。

次第に私はピーラーと缶きりと花切りはさみ(ガーデン用品も扱っています)がとても欲しくなってきました。Y氏は、以前から欲しいと言っていたワインオープナーとピーラーとへらだそうで、そして、Aさんは、トングやへらや缶きりや○○・・・と、キリがなさそうです。早速、週末にでもデパートに買いに行こう、ということになりました。だって、ますますクッキングが楽しくなりそうな予感がするんだもの。

帰り際にSさんから一言。「ねぇ、私のマーケティングのお手伝いとして、プロダクトレポートしてくれ ない?辛口OKよ。」あれっ?そうか、わざわざ時間を作って、私たちのためにこんなにおもしろいところを案内してくれたんだものね。

「せっかく気に入ったプロダクトを見つけたのだから、ぜひお手伝いしましょー。」と調子のいいこと、言っちゃった・・・。

日本向けの市場拡大の仕事を精力的にこなしているビジネスウーマンのSさん。日本人の意見はとても大切にしているとのことです。

でも、もしも、OXOが気前よくあの棚のもの全部ひとつづつあげましょー、と言ってくれたら(そんなことはありえない、か!)ふろしきにしょってでもなんとか持って帰る根性あるかも、と3人で苦笑いです。

私は、「好き」が昂じて花が仕事になりましたが、サム氏は、奥さん想いから会社を興し、多くの人たちに役立ち喜ばれる商品を提供する仕事を展開しました。きっかけは本当にいろいろですが、人を喜ばせたいというところでは一致している気がします。

さて、さんざん楽しい思いをした後は、OXO訪問の後半部分です。虹の街、チェルシーのおしゃれな居酒屋へ。グルメなAさんご推薦のフレンチビストロで乾杯です。舌が非常に肥えているAさんが一緒だと、今度は後半戦のお食事会がとても楽しいもの。その日は、体感温度、マイナス30度くらいだったのではないかと想えるほどの超、超寒い真冬日でした。あまりの寒さに耳がちぎれてないか、お互い確認するくらい厳しい寒さの中の移動でした。でもその夜は、みんなのおなかはほっかほかになり、大満足。

そして、2週間後!

Y氏から、Sさんと私たちパーティメンバー全員宛に、早速ゲットして使い始めたプロダクトのレポートがパワーポイントの文書で届きました! 「その角度がどうの」とか、「削り具合がどうだ」とか、「ここの部分のデザインが気に入らない」とか・・・なかなかの辛口のしっかりレポート。それが、とってもよく出来ていて、ピーラーの報告なんか、まるで野菜の気持ちになって書いているのではないかと思えるほどの出来栄えで、笑えました。

正直言って、そんなにY氏が張り切るとは思わなかった・・・。日を追って、どんどん届いたのだから・・・。彼がゲットして使ってみた3つ分すべて。どれもとても詳しくて、面白くって、長くって・・・いたく感心。

Sさんのご主人は、IT関係の会社ながら料理大好き人間。「能力あるなら、Sと会社変わりたいくらいだ」と言っていますから、その気持ちよくわかります。Y氏もそうですが、男性でもこういう夢があって便利な商品を開発する会社には興味はあるし、そして料理もけっこうするのだから、納得です。

Aさんとランチしているときに、それとなく聞いてみると、「うん、私も一応書こうとは思っているんだけどさぁ、あそこまで詳しく丁寧におもしろく書かれるとねぇ・・・」 同感です。

本当にそうなのです。まるで、東海林サダオのエッセイ風というか・・・。読んでいてくすっと笑えるような。そりゃあもう、Sさんは大喜びです。今まで、ピールされる側の野菜の気持ちになって書いた人はいないって。さて、こうなると、いったい私はどう書こうかな・・・。このニュースレターを報告書代わりにしてくれないかな?やっぱり、プロダクトをレポートしないと今度は呼んでもらえないかな?

そこで、私は改めて私のイージーゴーイングな性格を再認識することになりました。つまり、私は日頃からあまり物事を突き詰めて考えないタチなのです。「ここの使い勝手かどうか」とか、「この角度はこうすべきだ」とか、あまりそのように考えつかないのです。「あ、使いやすい」ですべて終わってしまう・・・。ほとんどいつもハッピー状態。言われてみれば、「そうかもね」と思えるし、そして、「ま、いいか!」でお終い。

Sさんのマーケティングのお手伝いにならないかもしれない、私。なんか、「どれもいい感じ」で終わってしまいそう。とても、Y氏のようには出来ません。しかし、これだけはぜひとも報告したいと思っています。「毎日のクッキングがとても楽しくなったよ」って。日常使いのささいなものでも、「一流品」のいいものに囲まれていると、心が豊かになる気がします。

編集後記

1月2日の夜に、我が家の愛犬、ヨークシャーテリアのマッチョが天国に行きました。16歳と2ヶ月でした。子供たちがとてもかわいがっていた弟のような犬でしたから、逝く時は、子供たちが揃っている時に逝ってほしい、と願っていました。それがかなえられて、それだけはよかった・・・。

マッチョのことは、去年のニュースレターの4月号に書きました。最後はきちんと家族一人一人に挨拶をしたような感じで逝ったマッチョ。年をとるにつれて、マッチョがいなくなったらどうなるのかな?と不安に思っていたことが起こってしまい、あー、とうとう、という感じのお正月になりました。

しばらく、私もぼーっとした日々が続き、知らないうちに知らない場所に車を走らせていたりして、ショックはかなり大きかったです。マッチョのものを片付けたら部屋が広くなった感じです。

でも、そのショックも癒えつつあり、その仕上げに黄色の元気ミモザを活けましたから、私はもう大丈夫です。思い出の中のマッチョを大切にしていきたいと思っています。

それでは、皆様、今年もまたよろしくお願いします。また来月まで、ごきげんよう。

皆さん、私にメールくださいね。励みになりますので。よろしく!

お知らせ

☆ 今月号のニュースレターはいかがでしたでしょうか。ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております。今後の発行の参考にさせていただきますので、ぜひお声を寄せてください。

☆ 12/19/03号からNYジャピオンにフラワースクールの広告を載せ始めました。現在は、毎月の第2と第4週目のNYジャピオンに広告掲載しています。

☆ 2003年の6月にEllieのアレンジメント教室、Ellie's New York Floral Designを開校しました。月に1回の「季節の花」を活けるクラスも新設しました。初心者からプロになりたい方まで指導する教室です。現在は、マンハッタンの新スペースにて、水曜の昼と夜のクラスも併せて開校しました。ご興味のある方は、こちらからどうぞ。

《発行人》Ellie Grace Toda
《発行元》Ellie's New York Inc.
《ホームページ》http://elliesny.com 日本語のページ
《お問い合わせ》flower@elliesny.com

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        Ellie Grace Toda
Ellie's New York Floral Design
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      flower@elliesny.com
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