[ March - 2006 ]
---------- 目 次 ----------
ごあいさつ
今月のお花つれづれ
〜【セントパトリックのグリーン色】〜
Ellie の3月のアレンジメント
〜【レストランCHANTOの活けこみ】〜
Ellieのつれづれ日記 - 今月の思い出話
〜【Ellieのアラスカ留学、思い出話から―「自立」―の巻】〜
編集後記
お知らせ

ごあいさつ

ようやく、春です、春!お庭のレンギョウが咲き始めました。

これから色とりどりになり、気分もとっても明るくなります。

しかしながら、それと正反対に花粉症が・・・。でも、今年は、プロポリスを飲んでいて調子がいいから、いつもほどではなさそうです。私にはとってもよいみたいで、今年はなんとか乗り切れたら、ますます嬉しいですねぇ。

もうすぐサクラも咲くでしょう。今年は、気になるサクラ公園に絶対行くつもり。サクラ公園めぐりをしたいです。

だって、あのサクラ色、最高にきれいな色ですからね。あのサクラとブルースカイ、絶妙のマッチングですよね。楽しみです。

今月のお花つれづれ

【セントパトリックのグリーン色】

セントパトリックディといって、アイルランド人のお祭りみたいなものが例年、3/17にあります。アイルランド系カトリックの伝統行事です。にぎやかなパグパイプの楽隊が行進します。

それが、今年はちょうど金曜日のレッスンの日でした。

教室に向かう途中から、何かグリーンのものを身につけた人たちで5番街あたりはいっぱいで、見ると、みんなコメディアンみたいでおもしろい。グリーンは、アイルランドの象徴だそうです。

聞くと、行進のスタートは、教室のすぐ脇の、44St.と5番街からでるとのこと。11時。

ずーっと、練習しているのが、教室にまで聞こえ、なんか見たくなってみんな落ち着かなくなりました。

「ねぇ、みんな、ちょっとだけ手を休めて、下に降りて見てこようか・・・」

なんと、先生である私が一番、ミーハーです。

生徒さんたちは、付き合ってくれて??みんなで何事かを見に行きました。

でも、11時といってもなかなか始まらず、いつものようにアメリカ人はゆったりと時間を構えています。そばの楽隊だけが、どんどこ、どんどこ。

後ちょっと、後少しとかなり粘ろうとしましたが、断念して教室に戻って、またレッスン開始。

ニュースでは、その後、なんと、15万人がパレードに参加して、200万人が沿道を埋めたとのこと。

ま、雰囲気だけでも「アイリッシュ」しながら、みんなで花を活けました。

花やの花も、色粉を入れてグリーンにそめたチューリップやカーネーションで大賑わい。でも、私にしたら、自然な色ではないから、すっごくおかしいと思います。つまり、ちっともキレイじゃないってこと。

なんか、季節の行事みたいで、おもしろいですがね。

うっ、という感じになるから、なるべくそんな花も見たくないのですが、来年は写真を撮ってお見せしましょうか。美的感覚を失いそうになりますが・・・。

ま、これも、NYの伝統行事ですからね。

Ellie の3月のアレンジメント

【レストランCHANTOの活けこみ】

マンハッタンの下町、W.10St.に、新しい日本レストランができました。

その名もCHANTO.日本の「ちゃんと」という居酒屋系のレストランのチェーン店です。

NY店新規オープンにあたり、お花を頼まれました。

日本料理だけど、日本ぽくないお店の感じにあうように、とのこと。

よく、NYの有名レストランでは、背の高い茶筒型の透明の花器に、カラーリリーが何本も無造作?に活けられてあります。

それもよいけど、やはり枝物を使わないと大きさというか、ダイナミックさがでません。ですから、今回は、レンギョウの枝を入れました。そして、動きは、ブルー系のアネモネを活けてリズムを出しました。

お花器は、お店の信楽焼きのワインクーラーを使いました。なかなかステキな器でした。


正面玄関の突き当たりに置いてありますが、すぐ脇が階段で2階がメインダイニングになっています。

そこには、もうちょっと大きな花を活けたのですが、場所が暗くて採光が悪く、写真写りが悪すぎて、「今月の花」にはとても使えなくて、がっかりです。

本当は、そちらを出したかったのですが・・・。

レストランのオープンって、私たち素人が考える以上に大変だそうで、そのCHANTOもなんと実現に準備が2年もかかったとか。

これから、本格的にアメリカ人を対象にしていくそうで、なかなか楽しみです。

NY近郊の方、ぜひ一度行ってみてください。日本産の赤ワインを置くそうですよ。これが、おいしいのだとか。

CHANTO :
133 7th Ave. South
New York, NY 10014
Tel: 212-463-8686

Ellieのつれづれ日記− 今月の思い出話

【Ellieのアラスカ留学、思い出話から―「自立」―の巻】

私が高校2年のとき、17歳の一年間、アラスカに住んでいました。

えっ?アラスカってどこって? 北の方の、あのアラスカですかって?

そう、あのアメリカの一番北の州、アラスカ州のアンカレッジという街に一年間、ロータリークラブの交換留学生として留学していました。私が、日本人高校生第1号のアラスカ留学生でした。

今回は、私のちょっとした思い出からお話をしたいと思います。

私の受け入れ先が決まった瞬間に、なんでまた、アラスカなんかに。。。と私も(?)思いました。「えーっ、なんでエスキモーたちと一緒に住まなくちゃいけないのよー。私はアメリカに(!)留学したいのにー・・・」と、泣きべそ状態でした。

ところが、ところが、これが私にとっての人生の大転機となるのでした。

なんか、突然に、ふっとあの人のことどうしてるかなって、思うときがありますよね。

これが、私にとっては、一年のうちに実の両親のその次くらいに思い出すのが、アラスカでお世話になった、ホストファミリーの“ファルコナー 一家”なんです。本当に、よく思い出します。

娘同然のようにかわいがってくれて、アメリカのよいところをたくさん見せてくれました。17歳の青春真っ盛りの私にとっては、なにもかもが新鮮で、驚きで、そして憧れでした。

アンカレッジ市は、思ったよりとっても、とっても都会でした。文化がありますし、とても面白い街です。エスキモーがイーグルーに住んでいるイメージは一掃されました。(それは、もっと北の方の話)

この私の17歳の一年間が、今もって不思議なのですが、フラッシュバックで何度も何度も思い出されます。それがとても一年間とは思えないボリュームのように感じられ、実際の何年間にも匹敵するくらいです。とても密度が濃くって、今でもすっごく新鮮で。

思い出すたびに幸せになります。あぁ、いい経験させてもらったなー、って。

あのアラスカですからねぇ、もちろん、冬はスキー三昧でした。そのホストファミリーのパパは、アンカレッジ市でもかなりの名医の眼科で、とても裕福な暮らしでした。

ですから、近くにある国際的に有名なスキー場、アリエスカスキー場の麓に、コンドミニアム(スキー用の高級アパートみたい)を持っていたので、朝起きて、朝食後から夕方まで、ずっとスキーしてるみたいな期間がかなり長くありました。(北国ですからね、冬が長いんです)

“ファルコナー家”には、子供が3人いて、しっかり者の長女のリサ、ちょっとやんちゃな長男、メイナード。そして、おちゃめでかわいい次女のシェリーです。

なんせ、私はそのとき、アメリカに住みたい一心だけで留学したものだから、全く英語も話さず、唯一のセンテンスは、“How do you do?”(始めまして)それだけでしたから、周りで何を話しているのかさっぱりもって、チンプンカンプン。

3人の私のアメリカの兄弟たちにすっかりお世話になり、おかげで、その留学の一年の終わりに、リサと一緒に通っていた高校を無事卒業。夢までも英語で見るようになり、朝起きてついてでる言葉からもうイングリッシュになってしまっていました。

アラスカの英語って、エスキモー語が混じっているんじゃないの?なんて、最初は心配したのですが、みんなとってもきれいな英語でした。というか、あちこちでたまに訛っている英語も聞こえたりして・・・。たとえばテキサスあたりの南部訛りとか。

ほとんどの住民は、アメリカ各地からの移住者ばかりで、アラスカ生まれのアラスカ出身のパパ、ママたちは当時はあまりいませんでした。ですから、彼らが一世ですかね。リサたちは、二世たち。

何がみんなをアラスカに惹きつけるのかそれぞれですが、多くはアラスカの大自然と雄大さとチャレンジ精神でしょう。よーし、アラスカで一旗あげるぞー、という感じですかね。

なんといっても、アメリカはゴールドラッシュとアメリカンドリームの国ですからね。

そんななかで、一種のアメリカンドリームをファルコナー夫妻も勝ち取ったと言えましょう。パパとママは、カナダ近くのワシントン州のシアトル出身で、学生結婚。パパがインターンで勉強中は、ママが小学校の先生をして生活を支え、そして無事にパパが資格をとってから、アラスカに移り住み、そこで眼科としての地位を築き、しっかりと財をなしましたから。

ですから、昔の苦労話はさておき、私の知っているママはいつも優雅で、明るくて、活動的で、世話焼きで、私の憧れの人となりました。このママが、たぶん、今の私の理想の原型か、と思います。

ママは、仕事しなくてよい分、ボランティアや教会活動、ロータリーの婦人会など、あちこちの活動にいつも一生懸命で、信望厚く、友人も多く、いつも明るく、とっても楽しそうでした。

私は、いつもそうなりたくて、憧れていて、つい最近まで、「私のなりたいものは、有閑マダム」なんて言っては、友人にバカにされていました。

しかし、私の現実は、「有閑マダム」からほど遠く、なにかしら、自分で稼ぐということに意識をおいた生活です。

あのママのように、パパからのクリスマスギフトで毛皮のコートや誕生日に指輪やらともらう生活に憧れる反面、自立した生活というものにもっと惹かれているようです。

もちろん、昔のママのサポートがあってこそ、パパの溢れんばかりの愛情が注がれるのですよね。

やはり、成功者の影にオンナ有り、ですかね。

さて、今、私が留学したときくらいのティーンエージャーの息子を持ち、はたして、私はいざとなったら喜んで彼を留学に出すだろうかと考えると、どうでしょう。うーん・・・。

確かに、次男は18歳になって、17歳のときより少し大人になってきているから今なら大丈夫かも、と思えるのですが、16、17歳のときには、絶対に思えませんでした。本人は、大人ぶっているけど、やはり超、子供なんです。

危なかしくって、見てられないというか、精神的にも考え方も不安定で、とても心配です。

長男を見ていると、やはり、20歳を過ぎたあたりから、私もかなり彼を大人として意識するようになりました。責任感や洞察力が違いますもの、やっぱり、子供とは。(成人式とは祝うものですねぇ。)

ですから、今おもうと、私の両親はよく私を快く出してくれたな、とつくづく感心し、そしてその決断?に感謝するようになりました。

本当は、心配で心配でたまらなかったのでしょうが、(私が出発してまもなく、母は倒れてしまいましたから)娘のやる気と行動力を応援してくれたのでした。

なんせ、私は、「行きたい、留学したい」の一点張りでしたからね、当時は。

よく、母は、「娘さんをよく出すねぇ、と言われる」と言っていましたが、当時は、私はほとんど理解しませんでした。でも、今は、よーく、わかります。

「高校生の留学はどうでしょうか」、とよく相談されたことがありますが、私は、自分がよい想いをしたから賛成したい反面、けっこう、そうでもないんですよ、実は。

留学が終わって、当時の留学生たちの集いで「肯定派」と「否定派」に分かれてしまいました。つらくて、もう二度と留学なんてイヤという人もいましたし、ヤンキー、ヤンキーしちゃって、今後のお付き合いも大変という人も見ましたから、私も結構考えてしまいました。

高校生というのは、まだ発展途上そのもので、価値観ができあがっていないんですね。大人の体して、中味は子供。まだまだ親の日ごろのサポートが必要なんです。

私は、たまたま、ファルコナー家に娘と迎えられてラッキーなだけでした。

本当のアメリカの豊かさやホスピタリティを思う存分吸収させてもらって、得した気分です。

ひとつ間違えば、今ころ私はアメリカ大嫌い、となっていた可能性もありかな?

(いやー、私はないだろうな・・・たぶん。)

人生とはおもしろいものですね。自分が経験して初めてわかるものです。当時の両親の気持ちが今ころになってよくわかり、当時よりありがたく思い、本当に「お父さん、お母さん、よく、やった!」と言いたい気分です!?

はたして、両親にとって、それがよかったどうかは分析してもらってないから??わからないけれど、少なくとも私は、今の私で超ハッピーです。

私の友人の姪っ子に、アメリカに留学したくて、自分も新たにチャレンジしたくってたまらない子がいます。でも、一人子だし、その子の両親にしてみたら、早く「よい人」に嫁がせたくってたまらないらしい。「もう何をしでかすか、危なっかしい」そうなんです。25歳の大人を捕まえてですよ。しかし、その子にしたら、「とんでもない」のだそうです。

しかし、その両親の意思も相当固く、彼女もめげそうになるのですが、じっと言うことを聞いている子じゃないみたい。(あれ?昔の私に似ている?)

もう彼女も働いてお金も貯まったことだし、そろそろ行動を起こしそうな気配です。徹夜も残業もなんのそのとばかり、ばりばりのキャリアウーマンで、頑張りやさんだそうです。

彼女の両親に、私の友人は「説得」するように頼まれるのだそうですが、これは、どうしても無理なことでしょう。

人をコントロールしようとすると、コンフリクト(争いや闘争心)が起こります。平和に解決するには、その子の本来持っている力、ポテンシャルを信じて、好きなことをさせてあげることだ、と私は思います。

これは、本当に難しいことだと思う。子供の持っている本来の力を信じきるということは。特に親は自分の価値観で見て、「この方が絶対いいに決まってる!」と思い込むものですからね。

でもこのままでいくと、一生わだかまりを持ちそう、その姪っ子さんは。人のいいなりの人生は、我慢しているってことだから、本来の自分の姿じゃないわけですよね。彼女は、自分の本当の力を試したくってたまらないのでしょう。私には、よーく、わかります。

まだ、その家族は娘の今後について、言い争いが続きそうだそうで・・・他人事ながら、私も気になります。

私が思うに、親とは、子供のやりたいことをできるだけ応援してあげるのが本来持つべき姿勢だ、と思っています。自分の思う“シアワセ”を無理強いしない。その子の“シアワセ”を考えて、“自立”を喜んであげられないものなのでしょうか。子供は、親の所有物ではないのですから。

私は、結局は自分のわがままを通した形になって、今に至っていますが、親の教育方針には、とても感謝しています。精神的にも経済的にも自立するように、と育ちました。

「エリーを留学までさせて教育するのは、エリーの自立のためだよ」って、何度も母に言われていましたから。ですから、私も自分の息子たちにもそのように接したいと常に思っています。

アラスカの両親の子供たち、つまり私の兄弟たちもそれぞれ自立して、りっぱになりました。リサは弁護士と結婚して、自分は大学のカウンセラーになり、メイナードは、ドクターコースを終えて、コンピューターの「インテル」の研究所に勤め、そして、一番おちゃめで勉強嫌いだったシェリーは、頑張ってパパの後を継ぎ、アラスカで眼科医になりました。

パパとママは、いつも子供たちと信頼しあって、とても仲良し家族です。それも、やはり、ママの細やかなおもいやりの精神があってこそです。アメリカ流の気配りがみごと。

私が久しぶりに遊びに行ったときのこと。ファミリールームの壁に私の留学時代のぷくぷく太って、楽しそうにしているときの写真が、だーっと飾られていました。

かなり昔の写真なので、超恥ずかしいのですが、わざわざ私との思い出を語りたくて、そのときにクローゼットから出してきて飾ってくれたそうです。

嬉しかった。

最後に、これは感心モノという極めつけの、アラスカのママの思いやりの習慣を教えましょうか。さて、それはなんでしょう。。。

それは、毎年私の誕生日ぴったりに!届く、バースディプレゼントとカードです。17歳の私のときから、ずーっと、ずっとです。最近は、すてきなシャツ類が多いですが、クリスタルガラスだったり、いろいろでした。

本当に逆算して、わざわざ送っているのでしょう。私にはまねができません。私は、毎年、言い訳しながら遅れてしまっています。つい、うっかりで。。。

それから、ママたちのその一年の思い出話がいっぱい詰まっているクリスマスカード。その一年のいろいろが長―い手紙に綴ってあり、それを読むとファルコナー家の一年がわかるものです。

まめですよねー。ステキな習慣だと感心します。私もいつもまねしようと思うのですが、まだ一年たりとも実現されていません・・・。

今月は、私のちょっとした思い出話からの、つれづれでした・・・。

編集後記

今年のクリスマスには、アラスカに行くぞー。と子供たちに呼びかけています。

世界一長い(当時は)リフトに乗って、最高の雪質のゲレンデをすいすい、スキー。

あー、絶対実現させるためにも、今、一生懸命働いています。。。まずは、稼がなくちゃ、憧れのアラスカに行けないよー。

皆さん、アラスカいいですよ。ぜひ、ご旅行にどうぞ!

それでは、皆様、また来月まで、ごきげんよう。

皆さん、私にメールくださいね。励みになりますので。よろしく!

お知らせ

☆ 今月号のニュースレターはいかがでしたでしょうか。ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております。今後の発行の参考にさせていただきますので、ぜひお声を寄せてください。

☆ 12/19/03号からNYジャピオンにフラワースクールの広告を載せ始めました。現在は、毎月の第2と第4週目のNYジャピオンに広告掲載しています。

☆ 2003年の6月にEllieのアレンジメント教室、Ellie’s New York Floral Designを開校しました。月に1回の「季節の花」を活けるクラスも新設しました。初心者からプロになりたい方まで指導する教室です。現在は、マンハッタンの新スペースにて、金曜の午前と午後クラス、木曜の夜クラスも併せて開校しました。ご興味のある方は、こちらからどうぞ。

《発行人》Ellie Grace Toda
《発行元》Ellie's New York Inc.
《ホームページ》http://elliesny.com 日本語のページ
《お問い合わせ》flower@elliesny.com

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