[ June - 2004 ]
---------- 目 次 ----------
ごあいさつ
今月のお花つれづれ
〜【大きくても映えないアレンジと喜ばれるアレンジとは?】〜
Ellie の6月のアレンジメント
〜【スウィート・ウィリアムとあじさいのアレンジメント】〜
Ellieのつれづれ日記 - 今月の思い出話
〜【「今年の母の日は?・・・心からお祝いしよう!(後編)」の巻き】〜
編集後記
お知らせ

ごあいさつ

ここのところ、カラッとしたお天気続きのNYです。湿気も少なくとてもさわやか。そんな中、プロム(高校のダンスパーティ)や卒業式も目白押しでした。コサージュの需要が多い季節です。時々、家の前に黒くて長―い、ストレッチリモジンが止まっているのをみかけます。あれをチャーターして、若い子たちは、パーティに出かけるのです。とても豪勢なパーティを想像しますよね。でも、けっこう皆でお金を出し合ったりしているそうな・・・。

もう子供たちの夏休みが始まりました。これから2ヶ月以上もの長い、長いお休み。親子ともども、息切れしないように、楽しく夏を乗り切りたいものですね。それには、お花を時々アレンジしてみて、たまには優雅な気分に浸る時間を持つことも大切だと思います。せっかく習ったアレンジを生かして、また、お花が好きな人なら近くのデリやマーケットから買ってきて、敢えて(!)活けこみに挑戦してみてほしいものです。

今月のお花つれづれ

6月始めに、新オフィスオープンのためのお祝いアレンジメントを頼まれました。場所は、国連近くの近代的なビルの一角。新しいオフィスに飾りやすいように、と四角いバスケットにピンクの濃淡の薔薇をふんだんに活けこんだ大きなバスケットアレンジをお持ちしました。

さすが、国連近く。どのビルも警備がしっかりしています。花のお届けだけでは、正面玄関からは入れてくれません。「花やのデリバリーは、裏の荷物の搬入口から入れ」、とまるでつっけんどん。瀟洒な表玄関とは裏腹に、その荷物の出し入れ場所は、大きなビルだからいろんな荷物が運び込まれる煩雑なところでした。「えー、ここから入るのー。」っていう感じです。

なかなかこなかった大きな搬入用エレベーターにやっと乗りこんで、34階に行ったら、そこはまだ仮のオフィスとのこと。ピンポンと押して、オフィスの中に入れば綺麗に飾ってくれるものと思いきや、なんと、何の家具もない玄関ホールの壁づたいにところ狭しと、届けられてきたいただき物のお花の数々がずらーっと床に並んでのオンパレード。

これでは、私のアレンジもすっかり隠れてしまいました。ほとんどの花は、まだラッピングされたままで、オフィスの人たちも忙しそうで気にしないようすです。

なんか、せっかくのアレンジもがっかりです。赤あり黄色あり、私のピンクあり、そして胡蝶蘭ありと、いたるところ花だらけ。これもなかなか圧巻ではありましたが・・・。私は、しっかり、受付の人に「この花は、○○さんからです。おめでとうございます。」と伝えて帰ってきました。ま、これで200ドルもいただきましたから、嬉しいには変わりないのですが、やはり観賞してくれないと、張り合いがでないものです。

続いてすぐに、長男のバイト先の知り合いに男の赤ちゃんが生まれたから、そのお祝いのアレンジメントを50ドルで頼まれました。

かわいい白のオープンバスケットに、こんもりとやわらかい花をラウンドに活け込みました。男の子だから、薄いグリーンのカーネーション(今は、キレイな色の新種のカーネーションがあるのです)を入れて、少しは男の子らしさを出しましたが、なんといってもそのアレンジは、出産したママへのねぎらいとお祝いのアレンジ。ですから、彼女が心和むように、とやわらかい色調でまとめ、薄いオーガンジーのブルーとピーチ色のダブルのリボンをつけたら、超かわいらしく出来上がり。とっても喜んでもらえたそうで、私も嬉しいです。

Ellie の6月のアレンジメント

とてもかわいらしい、スウィート・ウィリアムという花があります。小さい花がまるでけいとうみたいにびっしり顔をつきあわせて、まんまるく咲くお花です。エンジ色ともも色が主体のこのスウィート・ウィリアムに、ベージュ色のあじさいを足してみました。

大きなお顔のあじさいとその子供みたいな表情をしたスウィート・ウィリアムが、とてもかわいらしく、ぽんぽんと元気がはじける感じです。

少しモダンな白と黒の花器に活けてみました。背の高い花器ですが、個性的な花との組み合わせが似合います。

でも、今回は個性的な花とは言えませんので、少しラインをくっきりと見せることにしました。

スウィート・ウィリアムの花持ちのいいこと、いいこと。グリーンのベル・ズ・オブ・アイルランド(アイルランドのベルという名)といつまでも持っていました。


Ellieのつれづれ日記− 今月の思い出話

「今年の母の日は?・・・心からお祝いしよう!(後編)」の巻き

先月号からの続き。(5月号参照のこと)
・・・子供たちの見本みたいに思えるかもしれないけど、実は裏事情が・・・。

実は、昔一度、長男に私の誕生日を忘れられた事件?があり、私が超、切れたことがありました。

あれは、長男が中2の夏休み。二人がサマーキャンプに3週間も行き、楽しい思い出いっぱいで帰ってきた日の夜のこと。久しぶりの日本食を堪能させてあげようと、連れて行った寿司やでのことでした。

私の誕生日が8月7日で、ちょうど2人ともキャンプ中。前年はそれぞれカードをキャンプ場から送ってくれて、そしてかわいい小さなものを買ってプレゼントしてくれました。しかし、その年は、次男からはきちんとカードが届いたし、おみやげとしてプレゼントも何かもらったのですが、長男からは、何もなし。 「うーん、どうしたんだろう、なんかちょっとがっかりかな・・・。」と、私は気持ちを隠せません。

毎年、子供も親もささやかでもお祝いしあっていたから、気落ちしてしまいました。やはり、誕生日は心から「おめでとう」と言ってあげて、ケーキにろうそくを立てて、ふーっと消し・・・みたいな儀式?をしてあげるのが、定説というか、うちの礼儀?になっていた、と自分では思っていたのですが、どうもかいかぶりだったようです。

長男に直接聞くのもなんかプレゼントを請求しているみたいで気を使い、どうしようかとけっこう迷いましたが、これはやはり教育かな?と思い直し、聞いてみることに。しつけ、というより、今後の心構えや姿勢という教育ということで。

「ねぇ、どうしたの?お母さんの誕生日、何もなかったからちょっとがっかりかな。」と、結構ストレートに聞くわたし。

「うん、忙しくてすっかり忘れてた。」ケロッとして言う息子。

プツン、と私の中で音が・・・。

「忙しいって、毎日キャンプで遊んでいたんでしょ?」

「遊ぶのに忙しくて、母親の誕生日を忘れるなんて、どうかしてるよ。家族に忘れ去られ、祝ってもらえないことくらい、悲しいことはない! いくら忙しくても、これだけははずせない、という日があって、それが家族の誕生日でしょ!」

「お母さんはね、高価なものを欲しくて言っているんじゃないの。カード一枚でも、気持ちが伝われば嬉しいのよ。その気持ちをきちんと現さなくちゃいけないって言ってるの。」

「そんな思いやりのない子供になったのなら、もう来年からはキャンプなし、そして、今日のお寿司もなし!」 と、だんだん声があがり、つい剥きになって荒い口調で叱ってしまい、子供の目には涙が・・・。

それを見ていた11歳の次男は、おろおろ、そわそわし始めました。私の怒りの矛先がいつ次男にかかってくるかと、気がきじゃない様子。(よくあることだったのです。私が怒り出したら、ついでにあれもこれも、といっぺんにいろんなことが噴出してきてしまうタチ。悪い性格とは重々承知のことですが・・・。)

本当はそばにいた子供たちの父親、夫に私の代わりに、「そういうことは決して忘れちゃいけないよ」、なーんて、うまーく諭してもらうのをちょっと期待したけど、そんな気の利く人じゃないから、ただ、黙って私と息子のやりとりをぼーっと見ているばかり。かなりすごいって思ったみたい。でも、しつけもタイミングがありますから、言うべき時に言っておかなくては、という感じです。

「忙しくて、つい、」なんていういい訳の利かない時が、人生の中にはあると思います。しかし、それは、ほとんどの場合、あまり心に留めておこうと緊張していないからだと思います。本当に心から思いを寄せるのだったら、そんなことはありえない、というのが持論です。

もちろん、ついうっかり、ということもたまにはあるでしょう。でも、それはそれで、きちんとフォローをすればいいのです。それが、まだ大人になりきれていない子供たちにとっては、大事なことはなんとしても絶対に守る、という心構えに繋がると思って、思い切って諭したことでした。はたして、それ以来、二人ともきっちり、自分でできる範囲で心からお祝いをしてあげよう、と思う子供たちに変わったと思います。バイトやデート?で忙しくしてても、決してはずしませんから、もう。そして、毎年なにかしらは、小さいながらもサプライズをしてくれるようになりました。

そう、気持ちは決してお金には代えられません。プレゼント上手という言葉も当てはまるかもしれません。でも、誕生日やそういう機会にうまく自分の想いを込めて、気持ちを素直に表現できた方が勝ちと思うのです。お財布事情が悪かったら、それこそかわいいカードに一言でも、その人の想いがこめられていれば、全くもってOKと思います。

要は、気持ちをどう表現するか、どう表現できるか、ということなのです。

知り合いに、息子の気が利かなさを嘆く人がいます。彼女の誕生日もクリスマスも何もなく、でも、実は息子は母親を心から想ってはいるようなのですが・・・。とてもいい子なのですが、どうも気持ちの表現が苦手のようです。小さい時から事あるごとにしつけ、というか、こういう時はこうするんだよ、みたいなやり方を自然に彼に身につけさせなかったように思います。これは、ある意味、大人の責任だと思います。

今でも、私の高校留学時代(アンカレッジ)のホストファミリーのママから、私へはもちろん、私への家族へもバースデイカードがきっちり遅れもなく届きます。特に私へは、毎年何か着るものかかわいい飾り物をプレゼントしてくれます。もう25年以上たっても、毎年変わらずです!!

これには毎年本当に関心し、その度に感謝と愛情の気持ちで溢れます。そうやって、彼女の私への想いを現してくれているのかと思うと、今でも家族の一員というか絆が強いという感じがします。もちろん、私も何か送りますが、どうも最近は一辺倒になり、ママの好きなチョコレートが続いているような感じです。情けないけど、遠いので最近会わないから、服の好みもわからなくなってきました。

私は、このホストファミリーから学ぶことが多くありました。特に、ママの生きる姿勢というか、家族を想う気持ちを心豊かに経験させてもらいました。ありがたく思っています。

とにかく、気持ちを素直に現すということが大切なのです。その際、決して照れてはいけない、というのも我が家流です。なんか気恥ずかしいから、何気なく花なんか置いて、「あれ、なーに?」と聞くと、「あ、それ、誕生日だったと思ったからさ。」なーんていうのは、私には許せません。きちんと、「おめでとう!」と目を見て言って欲しいし、私も言います。

しかし、話を元に戻しますが、子供を思いっきり叱った後、(いつも叱った後は後味悪し)よくよく考えてみると、私も子供もお腹が超すいていたのでした。ですから、いらつくのは当たり前。私も、ちょっぴり反省しました。つい、むきになってしまったものだ、と。でも、夫に対してももし子供が大事な日を忘れるようなことをしたら、やっぱり、私は大きな声で注意すると思います。

「何やってるのー」ってね。それが、わたしだからしょうがない、かな?子供たちはさすがによくわかってきたみたいです。

こういうことは、さりげなく自然に身につけてしまえば、なんてことはないのですが、ね。そう、あくまでもスマートさを持って。

そして、5月29日は、菜那ちゃんの19歳の誕生日でした。こちらに来てすっかり友達も増えたし、また我が家流に歓待された菜那ちゃんのお祝いは、なんと、3日も続いたのでした。でも、菜那ちゃんはとても嬉しそうで、大満足。見ているこちらまでハッピーな気分になったのは言うまでもありません。

編集後記

☆ さて、さて、今年の夏休みの計画は立ちましたか?私の方は、ちょこっと合間を縫って、ケープコットに行きましょう、と姉さん格の薫子(かおるこ)さんから誘われています。ボストン郊外の島の先っぽの方にある、ケープコット。とても海がきれいだそうです。今年は、年老いたマッチョを預けてまで遠出はしたくない夏休みです。どうも、今年いっぱい持つかどうか、といった感じの老犬ですから。もし、行ったら、来月はぜひレポートしようかな? 来月まで、ごきげんよう。

それでは、皆さん、私にメールくださいね。励みになりますので。よろしく!

お知らせ

☆ 今月号のニュースレターはいかがでしたでしょうか。ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております。今後の発行の参考にさせていただきますので、ぜひお声を寄せてください。

☆ 12/19/03号からNYジャピオンにフラワースクールの広告を載せ始めました。現在は、毎月の第2と第4週目のNYジャピオンに広告掲載しています。

☆ 2003年の6月にEllieのアレンジメント教室、Ellie's New York Floral Designを開校しました。月に1回の「季節の花」を活けるクラスも新設しました。初心者からプロになりたい方まで指導する教室です。現在は、マンハッタンの新スペースにて、水曜の昼と夜のクラスも併せて開校しました。ご興味のある方は、こちらからどうぞ。

《発行人》Ellie Grace Toda
《発行元》Ellie's New York Inc.
《ホームページ》http://elliesny.com 日本語のページ
《お問い合わせ》flower@elliesny.com

ご意見、ご感想はこちらにお寄せください。

当ニュースレターの無断転載、無断複製はご遠慮ください。 どうぞお友達にご紹介ください。
Copyright(C) 2004 Ellie's New York Inc., All Rights Reserved

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
        Ellie Grace Toda
Ellie's New York Floral Design
www.elliesny.com/flowerschool
      flower@elliesny.com
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆