[ September - 2006 ]
---------- 目 次 ----------
ごあいさつ
今月のお花つれづれ
〜【霊柩車の花飾り】〜
Ellie の9月のアレンジメント
〜【Very berry, something berry】〜
Ellieのつれづれ日記 - 今月の思い出話
〜【世界チャンピオンは日本食で作られる!の巻】〜
編集後記
お知らせ

ごあいさつ

2ヶ月ぶりのニュースレターです。お元気でいらっしゃいましたか?

今、NYはとても季節がよく、暑くもなく、寒くもなくといった短い秋を楽しんでいます。

まだ紅葉の季節には、早いようですね。もう2週間もすると、黄色が中心の秋一色になります。

10月半ばころが見ごろでしょう。広大な土地を走るので、紅葉もスケールが大きく、日本の赤のもみじはあまり見られないけど、アメリカ大陸らしい色変わりが見られて、それは楽しみなものです。

NYに旅行を考えている方は、ぜひ10月に企画されてみてはいかがでしょう。まだ寒くもないし、色はきれいだし、見るところもたくさんあるNYを満喫できると思いますよ。

今月のお花つれづれ

【霊柩車の花飾り】

今月に入って2回も、運転中に、向かい車線で霊柩車が火葬場にむかうところに遭遇しました。

霊柩車の上には、たくさんのお花を載せています。十字架の花飾りだったり、丸いリング状のリースだったりします。

色は、とても鮮やかで、ピンクや黄色などの激しい色ものもたくさん入っています。アメリカのお葬式は、色は、なんでもいいのです。とても色鮮やかで、お葬式に出席すると、まるで、花やの競演を見ているようです。

つまり、花の色は、生前その方が好きだった色合いを中心に花飾りをします。たとえば、その方が黄色のガーベラが好きだった。。。としたら、その花を入れてアレンジしてください、と頼まれます。

実際に、そんなことがあり、まっ黄色の十字架を作ったことを思い出します。

そして、とてもおもしろい光景に、その花をたくさん上に載せた霊柩車の後に、たくさんの車がピカピカとハザードランプをつけて、ぞろぞろ続いていくのです。

時には、何十台も続くので、けっこう圧巻だったりします。

お葬式の会場から、火葬場へと向かう途中に出くわすと、思わず運転中ながら、手を合わせたくなるものです。


Ellie の9月のアレンジメント

【Very berry, something berry】

「べりー、べりー、サムシング、べりー」と、名づけた今月の花。

小さいりんごがついている枝と、赤い実がたくさんついた枝と2種類の実の“ベリー”が入っています。

9月に入るとすぐに見かける、こういった赤い実のついた枝もの。急に季節感を感じさせてくれて、思わず手がでます。

でも、今週手に入ったから、来週もというわけにはいきません。

とっても、とっても季節的というか、安定していない供給なので、お花屋さんでは売り切れ状態にすぐ陥ります。

とってもかわいいこの赤い実。でも、実が弱くて、すぐにぽろぽろ落ちるので、うっかり踏んづけたりすると、実がつぶれて床がよごれます。ですから、活けるときも、活けた後もけっこう気を使うものです。

赤と黄色とオレンジが入って、初秋と言う感じに仕上がりました。まだ、秋の初めですから、このくらいあっさりとした色使いでも、けっこうこれから深まり行く秋を感じさせてくれてくれるものです。


Ellieのつれづれ日記− 今月の思い出話

【世界チャンピオンは日本食で作られる!の巻】

あのテニスのUSオープン直後、私は、いつもの火曜の朝の通り、マンハッタンのPark Ave.にある、キタノホテルで、活け込みをしていました。

そこは、地下に「レストラン白梅」があり、日本間があるので、草月流の生け花を活けることになっています。私の大先生、神崎翠鳳先生のアシスタントとして活けています。

正面玄関の大きな活け込みが終わり、若いアシスタントのナナさんと一緒に後片付けをしていました。

すると、白いオーバーブラウスを着た、金髪で背の高い女性がすっとエレベーターから降りてきて、チェックアウトのカウンターに歩いていきました。

「あらっ!?」となにか違う雰囲気を感じましたが、じっと見るわけにもいかず、せっせと片付けておりました。

ほうきを持って掃いているときに、後ろに気配を感じ、振り返るとその女性が。。。「おっと、危ない。危うく美女にほうきをあてるところだったわー」。

それから、その女性が正面玄関を出ようとすると、日本人マネージャーのK氏と、キタノホテルの支配人(スイス人のおじいさん)が、丁寧に見送っています。

ム、ム、ム、これはただの人ではないな。

その支配人が、親しげに女性と握手しながら、ぐっと握手の手を引き寄せてお別れの挨拶をほっぺにチュ! 「おや、まぁ、あのおじさん(これは心の声ですから)」と思った瞬間、それが誰だったかわかりました!

あの美人テニスプレーヤーの“シャラポア”では、ありませんか!!

あの危うく私のほうきをあてそうになった人。「うわっ!きれい!」の一言。ちょっとだけ横顔を拝見しただけだったけど、光るような肌でした。

19歳とは思えない、大人の雰囲気を持ったすてきな女性でした。「あー、残念。もっとよく見ておけばよかったー」と騒いでももうおしまい。

シャラポアは、颯爽とPark Ave.に繰り出していきました。ずっと一人でしたよ。それも、黒のスパッツはいてラフなシャツを着て、スニーカー履いてすっごいカジュアル。それにしても、背の高いこと。180cm以上あるんでしょうね。

後で、ナナさんが、「えー、エリーさん気づかなかったんですかー?」

「そんなー。気づいていたんだったら目配せしてくれてもいいじゃない。。。」なんて、ミーハーなことを言っていたら、日本人マネージャーのK氏が、近づいてきて教えてくれました。

シャラポアは、USオープンの間中ずっと、3週間半もキタノホテルに滞在していて、毎日、毎日、日本食を食べていたとのこと。とても、そのホテルと日本食が気に入っているとのことです。

どうして、キタノホテル??そこは、NYでは一応4つ星ホテルですが、こじんまりしています。

「きっと、ここはあまり大きなホテルじゃないから、目立たないらしいよ。パパラッチも追ってこないし。」

「それにさ、特別に「白梅」の料理長に頼んであって、いつ何時でもルームサービスに応えるって、してあげているんだ。料理長もすき焼き以外だったら、何でもOKと言ってくれてさー」だって。

「毎日、毎日、スパイシーツナロール(巻物の寿司)と天ぷらうどんとチキン照り焼きを頼むんだよ。飽きずに毎日だよ。3週間半で、食事代だけで1万ドル(約120万円)も払っていったよ。ま、お父さんたちも泊まっていたから、一緒にお部屋で日本食を食べていたけどね。」

そうっかー。シャラポアが優勝したのは、日本食で支えられていたからだったんだー。

いやに、納得。そして、にんまり。

まー、嬉しいではありませんか。

あの世界が注目する超美人のすご腕選手が、毎日、毎日ごはんとうどんを食べているだなんて。なんと、庶民的な??うーん、もっと親しみを感じちゃう。

運動選手は、試合前の食事に、スパゲティを食べるって聞いてるけど、シャラポアは違うよ。うどんだよ!そして、チャンピオンを勝ち取ったんだよ。

これは、もう世界的ニュースになってもいいと思いますが。。。どうでしょう。(えっ?そうでもない?)

それにしても、世界の中心地のマンハッタンに住んでいて思いますが、最近の日本食ブームはすっかりアメリカ人に受け入れられていますよね。それどころか、もう愛されているって感じです。「美味しくてヘルシー」ともっぱらの評判。

お寿司のカウンターでも、どこの日本食レストランに行っても、「SUSHI」を頼んで、上手にお箸を使ってぱくぱくですもの。昔は、海苔は魚臭いといって、誰も食べようとしなかった時代を私は知っています。。。“It’s too fishy.”(フィッシーと言います)

まぁ、アメリカ人が好きだって言っても、まだいまのところ、メジャーな大衆料理的な「鳥の照り焼き」とか、「サーモンの照り焼き」とか、ソースがどっとかかっていて、こってりしたものを好んでいます。

まだまだ、日本食の極意、会席料理のような、とても繊細で微妙な味付けのものは、どうもわからないようです。

それがわかるのは、日本人だけでいいっか、と思います。これから季節のものが出回り、まつたけや栗ご飯などは、「ちょいと、あんた、この味わかる?」っていう感じですかね?

私も、子供をアメリカで育てているから、そこのところ、つまり、食事の季節感も敢えて教えなくては、と思っています。これはもう、自然に身につくものではなく、しっかりと親が「日本人の味」として、教え込む。海外に住むとき、気をつけなくてはいけないところだと、私は思っています。

子供たちは、いくら長くアメリカに住んでいても、自分は日本人だ、と思っています。子供が日本に行ったとき、何気に会話でついていけなくなるとしたらかわいそうですからね。

「これはね、日本では、今の季節しかとれないの・・・」なんて、聞いているんだか、聞いていないんだかわからないけど、一応ウンチク語るみたいな。。。

あ、そうそう、2-3日前にシアトルの友人からメールがあり、「まつたけ送りますよ」とありました。オレゴン州産のまつたけらしく、最近ではこの辺でも日本食料品店で手に入るようになりました。

「ざく、ざくっと切って、天ぷらにして食べてみて!」とのこと!

な、なんと贅沢な。。。いいのかしら、そんなことして。。。なんとも待ち遠しい限りです。日本にいたら、私できません、きっと。

あれ、れー?どうして、シャラポアの話からまつたけの話になったのでしょう。。。いや、キタノホテルのお花のことからだわ、始まりは。。。

どうも、私は最近食べ物のことばかり書いているような気がします。花よりだんごって、このこと??いやー、違いますよね。(シャレにもならない。。。)

きっと、秋も深まり、天高く、食欲の秋の季節を感じ取るからでしょう。

NYの秋は、とても短いですからね。もうそろそろ、お家には暖房が入ることでしょう。だって、朝晩は冷え込んで10℃くらいになりますから。

今のうちに、しっかり秋の季節を満喫したいという気分です。

アメリカの10月の季節を感じさせる食べ物は??パンプキン(かぼちゃ)?いえいえ、これは日本のかぼちゃと違って、水っぽくってあまり美味しく思いません。

あ、ありました。ハローウィーン用のキャンディです!虫歯になる、アレ。そろそろ、ウチに来る仮装したかわいい近所の子供たちのために、甘ーいお菓子を調達しなくてはなりませんね。

また食べ物の話で終わりそうなので、ここで仕入れた話をもう一つ。

シャラポアは、縁起を担ぐ人らしく、「来年のUSオープンも、絶対ココに泊まるよ、きっと。」と、キタノホテルのマネージャーさんが言っておりました。

去年からキタノホテルだったらしいのですが、そのとき8位に入賞したので、気に入って今年もキタノホテルにしたらしいです。

来年は、もう今年毎日、日本食で元気をつけて勝ったから!絶対にキタノホテルに宿泊は決まっている、とかなんとか。。。そうなるかな?

本当かもしれないから、来年の9月初めには、もっとしっかりお花の活け込みを手伝って、うろうろしなくちゃ??・・・と今から張り切る私です。

シャラポワのファンの方、来年一緒にうろうろしましょうか?それには、私のお花を手伝ってもらいますからねー。

編集後記

8月に久しぶりに日本へ一時帰国をしてきました。なんと、今回は3週間近くも滞在しました。

その間、中学時代の友人を訪ねて、長野の塩尻に行ってきました。初めて訪れる信州です。20年ぶりくらいの再会でしたが、あっという間に子供時代に戻れるものですね。

とても楽しい日本から帰国したら、ひどい時差ぼけに陥りました。

つい先日のNYジャピオンの特集記事に書いてありましたが、東回りにきつくでるとのこと。そして、1時間の時差につき、回復に一日かかるとのことです。

道理で。。。ようやく私の頭がはっきりしてきたのは、ちょうど私の花のクラスが始まる9月はじめでした。

けっこうきついものですね、あの時差ぼけは。昔はあまり感じなかったのに。。。それだけは、ちょっとがっかりです。

それでは、皆様、また9月まで、ごきげんよう。

皆さん、私にメールくださいね。励みになりますので。よろしく!

それでは、皆様、また来月まで、ごきげんよう。

皆さん、私にメールくださいね。励みになりますので。よろしく!

お知らせ

☆ 今月号のニュースレターはいかがでしたでしょうか。ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております。今後の発行の参考にさせていただきますので、ぜひお声を寄せてください。

☆ 12/19/03号からNYジャピオンにフラワースクールの広告を載せ始めました。現在は、毎月の第2と第4週目のNYジャピオンに広告掲載しています。

☆ 2003年の6月にEllieのアレンジメント教室、Ellie’s New York Floral Designを開校しました。月に1回の「季節の花」を活けるクラスも新設しました。初心者からプロになりたい方まで指導する教室です。現在は、マンハッタンの新スペースにて、金曜の午前と午後クラス、木曜の夜クラスも併せて開校しました。ご興味のある方は、こちらからどうぞ。

《発行人》Ellie Grace Toda
《発行元》Ellie's New York Inc.
《ホームページ》http://elliesny.com 日本語のページ
《お問い合わせ》flower@elliesny.com

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        Ellie Grace Toda
Ellie's New York Floral Design
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