★ Ellieのサンクスギビング・ アレンジメント
4月から、トラディッショナルなスタイルを意識したアレンジメントを順次ご紹介しています。4月は、伝統的で、基本的なアレンジメントの代表でもある「トライアングル」。そして、5月は「Lシェープ」。6月は、取っ手のついたバスケットに活けたセンターピースの「ラウンド」。7月は、上級者用の「ハンド・タイド・ブーケ」、9月は「アシメトリカル・トライアングル」− 不等辺三角形。10月はラウンドの「フレンチスタイル」というネーミングのセンターピースをご紹介しました。そして11月は、「アップライト・オーバル」です。
秋色のオーバル・アレンジメント。“深まり行く秋”を大きく活けてみました。正面から見ると大きな楕円形に見えるように活けていきます。堂々とした大きなアレンジです。私の花のクラスでは、なかなか難しいので中級でレッスンします。よくホテルとか大きな会場に映える活け方ですから、相当遠めに効きます。ラインフラワーでの高さの取り方は基本と同じ、花器の高さの1.5倍くらいを取りますが、横の出っ張り具合でスケールの大きさが決まります。細身のオーバルがお好みでしたら、横にはあまり広がらないように気をつけましょう。太身がお望みでしたら、堂々と横に張り出してください。ただし、やはりバランスを考えて、それと活ける花の全体のボリュームを考慮しながらです。
さて、今度は、スペシャルのサンクスギビングのアレンジメントです。この季節にはかかせない「コーニュコピア」というホーン(角型)の形をした花器に活けこんでみました。感謝祭の象徴のドライコーン、ぶどう、姫りんごとゴーズと呼ばれるおもちゃみたいな小型パンプキンをアレンジしました。これも大きなアレンジになりました。
「コーニュコピア−Cornucopia」というのは、“やぎの角”と言う意味で、16世紀の始めころから“豊かな収穫”という意味合いで親しまれてきました。装飾的には、この“やぎの角”からフルーツや果物や花が溢れ出るといったアレンジにするのが、「豊かさ−Plenty」、「繁栄−Prosperity」を表現するのだそうです。500年以上もたった今でも豊かな収穫の象徴として感謝祭にはかかせない飾りになっています。11月の花屋では、ドライフラワーやイミテーションのフルーツを活けこんだ様々なコーニュコピアを見かけます。これは、まさに「季節のアレンジ」ですね。
花を活けるオアシスをホーンの間にセットして、そのホーンの合間から花や果物が流れ出る、溢れ出すというイメージで横に長いアレンジを作っていきます。ドライコーン(3個で5ドルくらいで売っています)は、ワイヤーで最初に花器の縁にくくりつけます。後は、全体の色合いに注意して、深いオレンジ色、茶色系の花でまとめるとしっくりいきます。“レオニダス”という茶色の薔薇が素敵でしょう?それから、オレンジ色のデンドロビウム(蘭)がとても豪華ですから、お客様をお迎えする部屋のアレンジには最適です。
「ヤロー」は、脇役として合間に見え隠れしています。「ハイペリコム」という赤い実の花は、秋の実の物の代わりです。これも味わいのある脇役になっていますよね。
どうぞ、季節のアレンジ、皆さんも挑戦してみてください。まずは、コーニュコピアを手に入れることからですね。今年のターキーディナー、楽しみになってきましたね。アメリカでは、これを食べなきゃアメリカ気分を味わえないというか、とっても「アメリカーン!」なものなのです! Have a happy Thanksgiving !!