★ Ellieのクリスマスとお正月アレンジメント
4月から、トラディッショナルなスタイルを意識したアレンジメントを順次ご紹介しています。4月は、伝統的で、基本的なアレンジメントの代表でもある「トライアングル」。そして、5月は「Lシェープ」。6月は、取っ手のついたバスケットに活けたセンターピースの「ラウンド」。7月は、上級者用の「ハンド・タイド・ブーケ」、9月は「アシメトリカル・トライアングル」− 不等辺三角形。10月はラウンドの「フレンチスタイル」というネーミングのセンターピース、11月は、「アップライト・オーバル」をご紹介しました。そして今月は、「ファン」です。
「ファン」は、一番後ろのラインが大きくのびやかに活けてあるのが特長です。よくホテルの大きな鏡の前などに活けてあります。このスタイルは、私の花の教室では、ベーシックコースで学びます。だんだんと前に行くに従って詰まった感じで、こんもりと活けてください。大きな、堂々としたアレンジです。
さて、今度は、スペシャルのクリスマスとお正月のアレンジメントです。これは、どちらにもとれるアレンジとなりました。なぜかと言うと・・・“千両”にも似た赤い実をつけた枝物(ウィンターベリー)とくねくねと曲がった松の“オーストラリアン・パイン”のせいです。無難にまとめるなら、もちろん、ひいらぎ(ホーリー)や松を入れれば、確実にクリスマスらしさは増すのですが、毎年同じじゃつまらない。そこで、今年は欲張りにも、“25日のクリスマスの直前に活けて、しかも元旦の新年のお祝いの日まで持たせるアレンジ”というのに挑戦しました。せめて、クリスマスの時はゴールドの飾りをつけて、(そう、ゴールドの玉などもよいかもしれませんね)そして、お正月には金と銀の折鶴なんかをそばに置いたりして、ちょっと周りを演出してみるのもおもしろいと思います。
それから、私はりんごが大好きなもので、まるで本物のような嘘っこのりんごを見つけたときは、これを絶対入れたいと思いました。親の知り合いにりんご農園があり、いつも年末年始には蜜たっぷりの甘くてしゃきっとした富士りんごをいただいておりました。本当に懐かしい思い出です。もう、10年以上も日本のお正月を経験していませんから。あんなに美味しいりんごはアメリカでは手に入りません。最近はお店でざくろをよく見かけます。これもこちらでは、よくアレンジメントに活けこみます。大きくて豪華に見え、しかも長持ちするので、花やではよくアレンジしています。
また、今回ご紹介したいのが、エンジと黄色の混じったスイートハート・ローズ(小さい薔薇)。この名を、“Abracadabra”アブラカダブラというのだそうです。なんともユニークなネーミングですね。なにか、魔法にかけられてしまいそうな・・・。めったにお目にかかれない新種なので、おもしろそうと思いました。このエンジ色がところどころに入って、ぐっと全体が引き締まったようです。