[ December - 2007 ]


---------- 目 次 ----------
ごあいさつ
今月のお花つれづれ
【 クリスマスのキャンドルリースとそりのアレンジメント 】
Ellie の12月のアレンジメント
【 マスカット入りのセンターピース 】
Ellieのつれづれ日記 - 今月の思い出話
【 親の決断・・・の巻 】
編集後記
お知らせ

ごあいさつ

今年のニューヨーク・シティのロックフェラーセンターの大きなクリスマスツリー。形がとても綺麗でした。

今年は、発光ダイオードを使っての新しい試みとのこと。例年よりもカラフルで、まぶしくて、私は好きです。友達たちも同じ意見。

地球規模での省エネ計画。クリスマスツリーにも適応ですね。



今月のお花つれづれ

【 クリスマスのキャンドルリースとそりのアレンジメント 】

私の単発セミナーの定番となった、キャンドル入りのクリスマスのテーブルリース。たくさんの方に喜んでもらえました。私も、このリースのアレンジを教えるのがとても好きです。

単純作業の繰り返しがありますが(土台を作る部分)、その後は、赤のバラや楽しいオーナメントをあちこち配置するとき、皆さんの顔がより一段と明るくなります。

どこにどう配置したら綺麗に仕上がるか、というイメージがとれてくるからだと思います。

そして、皆さん、口々に楽しかった!と言ってくださいます。私もホッ!

このリースのセミナーは、12 /1に行いました。まだその時は、街も各家庭でも飾りつけが始まったかどうかの時期。そんなときに、おうちにこのクリスマスリースを持って帰ると、いっぺんにクリスマスチックになり、12月のルンルンした気分が始まるのがおもしろいところです。

そして、翌週は、そりの講習。今年初めての試みでした。全く初めての方がたまたまいらっしゃらないセミナーで、助かった。。。というのが本音です。形を作るのが、リースよりずっと難しいからです。

しかし、出来上がりの満足度は、「今までのセミナーで一番です!」との声をいただきました。やはり、ゴージャスな花器(そり)も大きなカサブランカのゆりも効果を博したのでしょう。

そして、その第 2週目にはもうクリスマスシーズン真っ只中というシーンに入っていきます。そのときにすっかりクリスマスチックになっていないと、超さびしいというか。。。もう、絶対に第3週目には作ることができません。遅いですね。

アメリカのクリスマスシーズンは、 11月末のサンクスギビングが終わってすぐに始まります。そして、存分に1ヶ月間、12月の末までクリスマスを楽しむのが主流です。決して、12/25日だけということではないのが、アメリカ式でしょうか。各家庭の飾りつけもなかなかのもので、本当にホリデーシーズンをルンルンにしてくれますから、全く楽しいものです。



Ellie の12月のアレンジメント

【 マスカット入りのセンターピース 】

マスカットのぶどうを一緒に入れ込んで、白い花たちとの共演です。

このセンターピースのアレンジは、 9月末の結婚式のビュッフェ・テーブル用のアレンジメントです。

全体のテーマカラーが、ホワイトでした。しかし、ビュッフェが置かれているダイニングテーブルは、ちょっと位置的に離れています。隣の部屋。

そこで、全く同じような感じにするのではなく、同じ白い花をいろいろと使っても、ぐっと一番目を引くものに、ぶどうを持ってきてアクセントをつけました。

このぶどう選びは、形が第一です。たわわで、下にある程度垂れていて、そしてまた色が綺麗で美味しそう、というぶどうを選ぶのが重要です。ですから、最近ではぶどうは袋に入って売っているものが多い中、一つ一つ開けてみて、確かめるという作業をしたら。。。この通り、とても素敵な形のマスカットが手に入りました。

このようにボリュウムのあるぶどうに相対するのは、白のあじさい。細かい花がいっぱいのアレンジに、こういう大きなぶどうはアンバランスになりますから、ご注意を。そう、ボリュウムのバランスが大切です。

私がそのセンターピースをお持ちしたときには、まだビュッフェの用意ができていなかったので、美味しそうな食事と一緒の写真がありません。しかし、リビングルームのテーブルの上でも、充分豪華なアレンジになりました。

花嫁さんたちには大変気に入ってもらえたようで、よかったと思います。

こういう色合いは、クリスマスにも合いますよ。ペパーミントグリーンとホワイトのアレンジということで。



Ellieのつれづれ日記− 今月の思い出話

【 親の決断・・・の巻 】

今年のクリスマスに、10年ぶりにアラスカ州のアンカレッジに家族で旅行します。そう言うと、十中八九、「えっ?オーロラを見に行くの?」と聞かれます。

違います。オーロラではありません。私のアメリカの家族に会いに行くのです。そして、一緒にクリスマスとニューイヤーイブを過ごすために。

アンカレッジ市は、私の高校時代の留学先でした。もう、ん十年前のことです。。。私の17歳の1年間を過ごしたところです。最初は、アラスカと聞いてどんな田舎かと思いましたが、アンカレッジ市はとても都会で、それこそあちこちの州から移り住んだ人たちによって構成された、新しい街です。

ちなみに、色付きオーロラは、アンカレッジあたりでは見れません。もっと北極圏に行かないと。アンカレッジで見れるオーロラは、白の薄いシフォンのカーテンのような感じのひらひらとしたもの。それは、何度も見ました。寒くてとても空がクリアーな夜に、ひらひら・・・が訪れます。とてもきれいなものですよ。

「どうしても留学したい。英語がしゃべれるようになりたい!」という強い希望を持ったのは、私が高校受験に失敗した年のこと。

私の仲良しグループ全員が、県立の第1志望校に受かった中、私一人が落ちました。皆で仲良く高校生活を送るはずだったのに、どうして私だけが。。。というみじめな想いがいっぱいで、「私ほど不幸な人はいない」と思いつめ、3日3晩も泣き続けたっけ。。。

そして、すっかり涙が枯れたころに、突如、私は留学を決意したのでした。 「そうだ、留学しよう。こうなったら、英語にかけるしかない」と強く思い、そこでようやく立ち直る決心をしたのでした。

しかし、迷惑なのは両親ですよね。失意の受験失敗からようやくやる気を見せるきっかけが、わけのわからない留学決意ときたのですから。。。

とりあえず、国語だ、数学だ。。というのは、私はどれも苦手でしたが、小学5年生から友人に英語の塾に誘われて行き始めたのがきっかけで、英語は私の超得意科目になりました。たまたまその内容が、中学で学ぶ英語の教科書だったので、常に予習をばっちりやっていたという状況だったため、余裕で100点を取り続けられたのが、どうも自信につながったようでした。

「もう、私には英語しかないんだ!」と強く思い始めて翌年のこと、私にチャンスが訪れました。学校推薦で、ロータリークラブの国際交換留学制度を通して、留学させてくれるというものでした。

私が行きたくないのに行くはめになった?高校は、とても小さなカトリックのまじめで、そしてのんびりした校風の学校です。校長先生は、シスター。カナダ系の幼稚園からの学校です。

しかし、そこに、その学校にはちょっともったいないほどの(失礼!)、超優秀な英語の先生がいたのでした。なんとも洗練されていてしかも美人で、壮麗で、おしゃれで、そして、なんと英語がペラペラ!どうして、K先生がここに勤務するわけ〜?っていう感じで、ひときわ光っている先生です。そして、同時通訳ができる!すごーい!K先生は、私の強い憧れの先生になりました。

そのK先生が、私の英語への情熱をかってくれて、留学を後押ししてくれました。街のロータリークラブとつながりを持つことができ、そして、学校でも始めて、そのロータリークラブでも始めて、それから、受け入れ先のアラスカのロータリークラブでも始めて、という留学生第1号に私はなったのでした。

その最後の面接試験での教頭先生からの質問を、今でも覚えています。「1年間、日本食が食べられないかもしれませんよ。それでも行きたいですか?」

「はい、もちろんです!1年くらい日本食を食べられないくらい、何でもありません!」・・・そうしたら、先生方、笑っていましたっけ。(で、本当に食べなかったのですが、全然恋しくなかったですね、その頃は。今は、絶対に2日と持ちませんが。)

それからばたばたと留学準備を進め、私は毎日が希望に満ち溢れていました。念願かなっての留学。それも学校も推薦してくれるし、親もお金を出してくれるというし、大好きな英語を話せるようになるのだし。。。と、気分はルンルンです。

もうすぐ出発と言う頃。母がポツンと言いました。
「みんなに、よく娘さんを出すねぇ、と言われるの」と。

聞くと、どうも両親の「娘を留学に出す勇気」をたたえられれているような。。。

「えっ?私が一番大変なのよ。何でお母さんが褒められるわけ?」と不思議でした。

私があまりにも行きたい、行きたいというので、結局両親は娘のいう通りにした方がいい、という結論になったのは確かです。その当時、私の田舎の周りには、誰も留学したとか、海外旅行してきたとかいう人がいなくて、母は、それはそれは娘のことが心配で持病の腎臓が悪くなってしまった、と後から聞きました。なんてったって、1ドルが260円もした時代です。

母は、心配のあまり、学校の校長先生にも相談したようです。そうしたら、そのシスターが、「日本を外側から見る機会を与えられるのは、すばらしいことです。きっと一段と成長されて帰るでしょうから、見守ってあげてください。」と話したそうです。それで決心がついた、とのこと。。。

ま、私は、そんな親心も理解せず、もう「留学するんだ!」の一心で、心勇みながら、アラスカに向けて出発しました。しかし、その後、母は体を壊し、2週間も入院したそう。

そんな想いで始まった私のアラスカ留学は、とてもまじめで優しい家族に恵まれ、大変充実した楽しい1年間を過ごすことができました。まるで本当の娘のように扱ってくれ、導いてくれて、とてもよいアメリカの部分をふんだんに見せてもらいました。私の目に映るアラスカ、いや、アメリカは、なにもかもが大きくて!新鮮で、刺激的なものでした。

何よりも、アラスカのママの積極的な生き方、思いやりの心使いが印象深く、しっかりと今の私の価値観の土台を作った、と言えるかもしれません。あの1年は、私の人生の、そうですね、10年分の経験に匹敵するような、そんなきらきらした充実感があったように思います。

つい先日、父の1周忌の法事で、いとこからこう聞かされました。
「おじちゃん(父のこと)は、いつも言っていたのよ。エリーは、言い出したらきかないって。」

おー、確かにそうかも。。。言えてるかも、それって。

不思議にその時、深―く感じました。父たちの娘への想いを。

なんだかんだと心配したり、反対する姿勢を見せながらも、娘のやりたいことを結局は認め、そしてうまく成就できるように導いてくれた親。今、私がこうして、イキイキとやりたいことをやって大好きなニューヨークで楽しく過ごせるのも、全て両親のおかげなんだな、と改めて思った瞬間でした。

それは、自分が子供を育てて初めて気づかされたことでもあります。小林正観さんと言う方の本のこんな箇所に惹かれました。「もし、本当の教育をしたいのであれば、目を向けることは順位をつけることよりも、その子のもっているものをいかに刺激して引き出してあげるか、そして、いかにその子のすべてを肯定してあげられるか、なんです。」それが、できると、その子はすごく伸びるそうです。

そう、そう。確かにその通りと思います。しかし、わかっちゃいるけど、つい口出しをして、こちらの言い分を言い聞かせようとする、親の立場からの習性というものがありますよね。

しかし、「この子は心配、心配。」と思えば思うほど、本当に心配なことをやらかしてくれるのが子供(人間)だそうですよ。その期待に潜在意識的に応えてしまうらしい。こわっ!

だから、それには、こちらの決断が必要です。「この子は、大丈夫。何があっても大丈夫なの。心配ない!」と思い切る決断が。そして、むしろそれは、親側の精神修行だとも言えるそう。

私が今まで存分にしてもらったことを、今度は私が子供たちにしてあげる番。私は父親のA型の心配性をしっかり受け継いでいるから、この「親の精神修行」というところで、非常に納得です。自分のことを棚にあげて、子供をいろいろと心配している。。。

特に次男は、言っても理解せず、結局は自分で経験して痛い想いをして初めてわかる、という性格。彼によって、私は自分の両親の気持ちを痛いほどわかるようになったわけで。。。それには、感謝でしょうか。そして、「子供の魂の部分をしっかりと信じきる」という勇気!を持つことが大切だ、ということも。

最近は、私のお祈りのフレーズを替えました。
「どうぞ、私たちに困難が訪れても、それを乗り越えられる勇気と知性と行動力をお与えください。」と。

結局は、何事もなく、平和でつつがない生活が続くということは、ありえないのですから。誰にでも訪れる試練。それを乗り越えながらも、ずっと続いていく人生。そうやって人間は成長していくものなのでしょう。

いつも私のことを心配しながらも応援し続けてくれた父が亡くなって、早1年。不思議と、父が天国に行ってからの私は、精神的に強くなり、あまり細かいことを心配しなくなりました。きっと天国からも、応援してくれているのでしょうね。

今年の年末年始は、そういう想いで留学に送り出してくれた両親から繋がった、アメリカの家族と共に過ごしてきます。最近は友人たちの付き合いを優先する息子たちも、今度は一緒に行くと言ってくれて、私が一番喜び、はしゃいでいます。

どうぞ、皆様も暖かいご家族と共に、よいお年をお過ごしください。

皆様に支えられて、今の私がいます。いつも感謝しています。
2008年もまた、どうぞよろしくお願いいたします。

編集後記

12月になるとすぐ、どうしてあんなに道路が込み始めるのでしょうか。

どこもかしこも、人だらけ。車だらけって感じの 12月です。
みんな走っています。師走ですからね。。。

ちょっとそこまでアレンジメントのお届けに、えらい時間がかかってしまい、あせってしまいました。。。シティには、車で出かけたくない季節です。

そしてまた、土日ごとに何かと食事をする機会が増え、クリスマス、そして、新年とまだ続きます。

胃を壊さない程度に楽しむ工夫をしないといけません、ねぇ。。。
胃薬をしっかり旅行かばんに入れて行きます。。。

それでは、皆様、また来月まで、ごきげんよう。

皆さん、私にメールくださいね。励みになりますので。よろしく!


お知らせ

☆ 今月号のニュースレターはいかがでしたでしょうか。ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております。今後の発行の参考にさせていただきますので、ぜひお声を寄せてください。

☆ 12/19/03号からNYジャピオンにフラワースクールの広告を載せ始めました。現在は、毎月の第2と第4週目のNYジャピオンに広告掲載しています。

☆ 2003年の6月にEllieのアレンジメント教室、Ellie’s New York Floral Designを開校しました。月に1回の「季節の花」を活けるクラスも新設しました。初心者からプロになりたい方まで指導する教室です。現在は、マンハッタンの新スペースにて、金曜の午前と午後クラス、木曜の夜クラスも併せて開校しました。ご興味のある方は、こちらからどうぞ。

《発行人》Ellie  Grace Toda
《発行元》Ellie's  New York, Inc.
《ホームページ》 http://www.elliesny.com
《お教室のブログ》 http://elliesny.exblog.jp
《エリーのブログ》 http://elliegrace.seesaa.net
《お問い合わせ》 elliesny@gmail.com

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         Ellie Grace Toda
Ellie's New York Floral Design
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