★ 今月のお花つれづれ
さて、その日本の花のセミナーですが、ブーケだけの1日セミナーに出席してきました。1つは、ブーケホルダーを使った“フリーセント”というスタイル。そして、2つめは、ワイヤリングテクニックのナチュラルステムを活かす“フォーマルリニアー”というスタイルを習ってきました。
最近の日本のアレンジメントは、ドイツのスタイルが多く取り入れられるようになり、私の知らない名前ばかり出てきます。いわゆる、ヨーロッパスタイルというのが、ドイツの活け方を主流にして成り立ちつつある、という感じを受けます。
一昔前までは、アレンジメントと言えば、イギリスとかフランス風が特にヨ ーロッパ的と言われていました。ですが、これは、日本人の習得気質と言いましょうか、日本人が技術を身に付けるのに大変都合よく、と言ってはなんですが、ドイツのカッチリとした教え方がとても性に合っているのでは、
という感じで、ドイツ風に取って代わりつつある、という印象を受けました。
アメリカは、その点とてもアバウトで、イギリスもフランスもドイツもそして オランダ風もすべてヨーロピアンです。どちらかと言うと、色合わせや花の 種類に重点を置き、あまりむずかしい名前もでてきません。でも、活ける テクニックはもちろん、しっかり教えますが。
さて、習ったスタイルの“フリーセント”というのは、クレッセントブーケのように涙型に自然に垂れる感じの活け方で、花合わせは、すべてやわらかい 花材で流れる感じにまとめます。葉は、最後にベアーグラスなどの細い線で交差するラインを作ります。とにかく、自然調にふわっと作るのが特長です。とても素敵なブーケに仕上がりまして、満足でした。
後は、似ているスタイルに、“ウォーターフォール”や“シャワー”などがありますが、この説明は紙面の関係上、割愛させていただきます。現在は、特別な違いはそれほどなく、「これは、私のフリーセントよ」と言ったら、そうなるのだそうです。ですから、活ける人の個性をどんどん出してブーケを作ればそれでよいということです。
そして、2つ目のワイヤリングテクニックのナチュラルステムを生かす活け方、これがとてもむずかしかった。“フォーマルリニアー”というスタイルで、すべてグルーピングに花をまとめて活ける、コンテンポラリーなアレンジです。
このテクニックは、今からのブーケの主流になるだろうと先生は言っておられましたが、まだそれほど日本でも知られていないテクニックだそうです。多分、これからどんどん日本の花の本に取り上げられてくるでしょう。でも、アメリカではどうかな?まだまだラウンドブーケが続くのでは?あまり、テクニックが細かすぎて、アメリカ人のフラワーデザイナー達がついていくのが大変かも、(いや、失礼・・・)と思いました。
テクニックを述べるレターではないので、今のところ興味のある方は名前だけ覚えていてください。追々、私のクラスでも取り入れていこうか、と考えておりますが、特別セミナーでもない限り、かなりレッスンに時間がかかるので(3-4時間も)通常のレッスンではとても無理そうです。
とにかく、たくさんの気づきを得たセミナーでした。日頃は、私が先生と言われる立場ですが、たまには一生徒として教えを請うのもとても新鮮で、大変勉強になりました。これからも、積極的にデザインの勉強もしていく つもりです。アメリカのセミナーにも出席予定ですから、またどんな様子かレターにて報告していきますね。
今回は、あまりよく写真が撮れていないのでサイトへのアップが出来ませんで、残念でした。どんなのか、見たいですよね。いずれ、きちんと載せることにしますから、どうぞお楽しみに。