[ May - 2005 ]
---------- 目 次 ----------
ごあいさつ
今月のお花つれづれ
〜【アメリカの将来のマザーズデイは?】〜
Ellie の5月のアレンジメント
〜【母にささげるアレンジメント】〜
Ellieのつれづれ日記 - 今月の思い出話
〜【「アメリカのランチと母のお弁当」の巻】〜
編集後記
お知らせ

ごあいさつ

NYの5月は雨が多い、と定説ですが、今年は、ずーっと寒い日が続きました。去年ほど雨も降らず、気温がなかなかあがらないで、10度前後のなんとなくどんよりした、肌寒い日が続き、ちょっとうんざりしました。

しかし、木々はどんどん新緑を増し、その間にめいっぱい花粉を飛ばして、今やもうきれいな葉をつけて、緑いっぱいです。

6月になると、今度は急に暑くなったりします。もうすぐアメリカの学校は夏休み。木々が緑になるにつれ、みんなの気持ちも夏に向けて準備を始める感じです。

今月のお花つれづれ

【アメリカの将来のマザーズデイは?】

2003年の国勢調査によると、ヒスパニック(南米人)の人口が、約3900万人、なんとアメリカの人口の20%にあたるくらいまで増えているそうです。そのうちの67%は、メキシコ人。驚く勢いで子供をどんどん産み、ヤングママが増えつづけているとのこと。そして、2050年には、約4900万人にまで増えるだろうと言われます。1990年からして、340%の伸び率。すっごい、値!つまり、4人に1人がヒスパニックになるらしい・・・。

今や、アメリカの第2外国語は、スペイン語ですが、超納得。彼らは、アメリカのブルーカラーとしてしっかり国を支えているって感じ。特に、NY周辺は、スペイン語は日常茶飯事。私も習ったほうがいいかしら、って思うくらいです。

このデータは、何に書いてあったかというと・・・、アメリカのフローリストマガジンの5月号です。つまりは、将来は、ヒスパニックママたちを、母の日にターゲットして売るようになりますよ、ということを言いたかったみたいです。

国民性に拠り、花の色合いの好みが違います。アメリカは、特に、赤と黄色とブルーが入ったにぎやかな花揃いが店頭をにぎわせています。どうして、こんなに色が込み合っているのかしら・・・といつも思いますが、やはり、いつも飽きずに店頭を飾るということは、売れるのでしょう。

日本人は、どちらかというと、ヨーロッパ調の一色濃淡の色合いや、薄めのパステル調の色合いが好まれると思います。たぶん、日本のお家事情が狭い空間だから、あまりにぎやかな色合いだと、部屋がうるさくなる感じがしますからね。

ヨーロッパでは、人に花を送るときは、必ずその家の色調を聞きます。ベージュの家具とか白い壁とか、具体的にその飾る家の雰囲気を聞き、それにあったアレンジを送ります。

花を贈ればいい、という考えはありませんから、それこそ、混み込みのアレンジなどをさしあげたら、心からは喜ばれないことでしょう。せっかくの好意も無駄になりますよね。

さて、ヒスパニックたちはどんな色合いが好きなのでしょうか?私もこれから少しずつリサーチをして、将来に対応していかなくてはいけませんね。

今や、アメリカの切り花のほとんどがコロンビアやエクアドルなどの南米からの輸入に頼るようになり、ヒスパニックとお花とは切っても切れない縁になっています。それに加えて、お花を差し上げる対象もまた南米人出身となるとは、言われてみるまで、そういえば気づかなかったかも・・・、と思いました。

Ellie の5月のアレンジメント

【母にささげるアレンジメント】

5月の母の日は、遠く日本に住む母親への想いをささげる日。私は何もできないけど、アレンジメントを通して、愛情表現をしているつもりです。

母は、小原流の生け花の先生をしていたから、枝物はお手の物です。今月は、花みずきの枝物とライラックを手に入れました。それと、欲張って、こでまりの1種も。どれをとっても、メインの花になりえる花というか、枝物ですが、母を思うあまりに??3つもいれてしまった欲張りアレンジになりました。

私は、母の色というとどういうわけか薄い紫色を思い浮かべます。ライラックは最高ですね。季節物だし、高価だし。ただし、水揚げが悪いので、長持ちしません。枝の先をトントンたたいて、割って水揚げします。でも、色合いと繊細な花つきが最高です。

それと、かわいい赤とピンクのボールのような花は、スウィートウィリアムズという花。「まるで、小さな芝生の植え込みみたいな花ですね、」と言った人がいますが、本当にそんな感じです。でも、名前がかわいいでしょ?

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Ellieのつれづれ日記− 今月の思い出話

【「アメリカのランチと母のお弁当」の巻】

5月の中旬に、長男の大学が終わり、早くも夏休みに突入したので、帰って来ました。それと同時に、彼は夏休み中のバイトをみつけ、早速働き始めました。どうしても、自分の車が欲しいとのことで、その資金作りのためと、彼の親友、エリックの影響で、“将来への投資”を始めたいとの目標があるようです。

長男の大学費用にかなりお金がかかるため、彼には必要最低限の生活費と学費しか渡していません。それでも大学で勉強したいという高尚な?希望を持っているので、お小遣いは自分で稼ぐということになっています。彼は、アスレチック・トレーニングの分野で将来活躍したいそうです。体だけはがっちりしているので、自分の体力で稼げ、と励ましています。

そこで、見つけてきたのがヤマト運輸のバイト。引越しではなく、倉庫で発送作業だそうです。そのバイト先のまわりは倉庫ばかりで何もないところなので、私はお小遣いを渡すかわりに、お昼のお弁当を毎日作ってあげることを約束しました。

普段離れて暮らしているから、“ここぞ母親の本領発揮!”とばかり、張り切って弁当担当宣言したら、高校生の次男も居候中の親友の娘、NANAちゃんも欲しい、と言い出して・・・。皆、お昼のお金をセーブしたいのでしょう。ということで、結局、ついでだから私の分も作るとして、毎日4人分の“日本のお弁当”を作ることに・・・。

食べ盛りの子供たちだから、ぎっちりご飯のつまった、いわゆる日本のお弁当。久しぶりに作ることになり、意外と張り切って本なんか読んだりして。「何々、しっかりご飯とおかずは冷まさないと、お昼までに変な匂いがしたりする?・・・」そうだった、そうだった・・・。

子供たちが小学校を卒業するまでは、アメリカの学校もお弁当持ちです。しかし、アメリカ人の子供たちの代表的なランチって、どんなのか知っていますか?「ピーナッツバター&ジェリー」サンドイッチ。これは、アメリカのぼそぼそパンに、いちごジャムとピーナッツバターをたっぷり塗ってはさむだけの簡単なサンドイッチのことです。

毎日、毎日、こればかり。これにプラスして、小さなりんご1個か、オレンジか、もしくは、ポテトチップスとかクッキーとか。飲み物は、パック入りのジュース。小さい子供は、この味で育つと言っていいくらい、単純そのもののサンドイッチ。味覚の豊富な日本人感覚からしたら、何これ?っていう感じです。

よくも飽きずに、まぁ、と思うでしょう?でも、これが美味しいそうなのです。それを、次男は「アメリカ人の友人たちと一緒のがいい」と言って、6年間も!続けました。彼は、ジェリー(いちごジャム)は入れなくて、ただのピーナッツバターのさもないサンドイッチ。

「たまには、お兄ちゃんが持っていくようなおにぎりにしたら?」と提案しても、彼はがんとして聞かず、「いろいろとそれ何?って聞かれると、面倒くさい」と言い張り、私もあきれながらも毎日、ピーナッツバター入りを作り続けました。しかし、ある意味、私は助かりましたが・・・。簡単だから。

それに反して、長男は日本風のお弁当を敢えて持っていきたがり、むしろアメリカ人たちにみせびらかして食べていたような。時々、彼の友人たちが来ると、「ミセス、トダ。ライスボール(おにぎり)食べたいな、」なんて所望されたことも。「時々、クラスメートから、ヘイ、“ミスター・スシ”、なんて言われたりするけど、そしたら、ヘイ、“マクドナルド・ボーヤ”って言い返すんだ。」なんて、彼が言っていたのを思い出します。

あの頃は、あまり食べないし、好き嫌いがあったから、小さいお弁当ですみました。ところが、今は肉体労働するからしっかり食べ。日本の中高に通う生徒のお母さんたちは、毎日こういうのを作るんだろうな、と思いを馳せながら、私もせっせと作り始めました。アメリカでも、日本食の食材は充分にありますし、カリフォルニア米は安いし、美味しいですから助かります。

しかし、夕飯の献立を考えながら、翌日のお弁当の献立を考えたり、準備したりするのは、以外に大変ですね。「そんなこと、当たり前でしょ!私はいつもしてるわよ、」と読者のお母さん方からお叱りを受けそうですが・・・。いやー、本音です。夜のクラスを教えるときは、帰りが遅くなるから、もう大変。

私は、お花の仕入れやクラス等があるから、朝が早いため、朝にゆっくり時間を取れないので、なんとか夜のうちに準備等をしっかりしないと、お弁当の約束を守れなくなりそう・・・とわかり、とてもとても忙しくなりました。つまり、“考えること”と“キッチンに立つ”時間がずっと増えたということです。

いきあたりばったりで、冷蔵庫の中のものをいろいろ作ろうとすると、よけいに頭を使い、仕事が入ってすることがあると、なんかいらいらしてきます。気をめぐらすことが多くなると、神経を余分に使います。これでは、へたばりそう、と気づいたのは、お弁当始めて1週間すぎた頃。眠い目をこすりこすり、夜中の11時半に、お弁当のおかずの肉じゃがなんか、作ったりして、「なんだかこの頃、へぇ、へぇ、言ってるな、」と自分でもおかしくなりました。そこで、ちょっと時間を作って、1週間の献立を敢えてきちんとたてようと思いつきました。

働く母親が育ち盛りの子供のお弁当を毎日作るって、こんなに気を使うんだな、って、改めて気づきました・・・。私の母もずっと高校の先生をしていて、いわゆる働く女性だったから、いつも朝は忙しそうにしながら、子供たちのお弁当を作っていたのを思い出しました。

さて、アメリカ人の大人のランチはどうかって言うと・・・もちろん、毎日サンドイッチです。しかし、中味はさすがにバラエティも出てきます。子供たちが小さいとき、ミネソタ州の友人、ケアレン宅へ1週間ほど遊びに行った時のこと。それこそ、毎日、毎日、お昼はサンドイッチとポテトチップスとコカコーラ。それ以外はない、って感じでした。「さぁ、お昼ご飯ですよー、」と言ったら、まさに、このサンドイッチ定食?の「アメリカンランチ」。親たちには、ハムとかツナとかのサンドも作るけど、子供たちにはやはり大好きなピーナッツバター入り。栄養があるから、子供たちにはグッドだとか。

しかし、慣れてくるとそれなりに美味しいもので、私たちも出されるものは毎日、パクパク。それ以来、「さぁ、今日はアメリカのランチしましょう。」と言っては、真似をしてアメリカンランチを作ったりします。慣れると、あのポテトチップスの塩気とコカコーラの甘味がぼそついたパンとの相性がいいのか、美味しく感じられてきます。あぁ、私の味覚もついに、アメリカン・・・。

ケアレン宅では、朝食は、シリアル(コーンフレークに牛乳をかけて食べるもの)とジュースとコーヒー。そして、お昼は例のサンドイッチ。夜は、オーブンにほうりこんで作る、簡単ディナーのアメリカ人の食生活。多分どこのアメリカ人家庭でも、ほとんど同じ食生活でしょう。これでも、人類は繁栄するんだ・・・なんて、変に感心したことをよく覚えています。これに比べたら、日本食は作りすぎ?

アメリカ人に、日本の伝統的な朝ご飯を説明すると、「サーモンに塩をつけて焼いて、ホワイトライスをクックして、ミソスープを作って、ピクルスを沿えて・・・」なんて言った暁には、「クレージー!」扱いされることも。そうでしょう、決して、解りえないことでしょうね、単純な味覚を持つ人たちには。「本当に、日本の女性はそんなに朝から働いて、作るのか?疲れないのか?」って、目を丸くして驚かれ、むしろあきれられてしまいました。

そうしたら、私は、肩をちょっとすぼめて、「そうよ、ジャパニーズワイフは、すばらしいのよー。」ということにしています。が、実は・・・私の味覚が歳とともにすっかり日本食になり、私が食べたいから、今は作るって感じになってきています。アメリカで育った子供たちにもその味覚はわかるようですが、「もし、アメリカ人のワイフをもらったら、こんな日本食は贅沢なんだよ!」と言って、時折、私はありがたがらせて?います。そう、意図的に、母親に感謝の気持ちをもつように仕向けている?って感じかな。ずーっと後になって、母親の気持ちがよくわかる、ってやつよりも、今、わかって欲しいー!!って思う今日この頃です。

編集後記

やっと、アレルギーの季節が終わりをつげたようで、ほっとしました。外はどんどん緑になっているにつれ、くしゃみと鼻水がすごくなり・・・と、多くの人たちが経験しました。

日本に住んでいる頃は、5月が一番よい季節と思い、信じていましたが、NYでは、全然違うみたい。6月がもしかして、一番かも?と最近は思うのですが、さて、今年はどうでしょうか?

それでは、皆様、また来月まで、ごきげんよう。

皆さん、私にメールくださいね。励みになりますので。よろしく!

お知らせ

☆ 今月号のニュースレターはいかがでしたでしょうか。ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております。今後の発行の参考にさせていただきますので、ぜひお声を寄せてください。

☆ 12/19/03号からNYジャピオンにフラワースクールの広告を載せ始めました。現在は、毎月の第2と第4週目のNYジャピオンに広告掲載しています。

☆ 2003年の6月にEllieのアレンジメント教室、Ellie’s New York Floral Designを開校しました。月に1回の「季節の花」を活けるクラスも新設しました。初心者からプロになりたい方まで指導する教室です。現在は、マンハッタンの新スペースにて、水曜と金曜の昼と火曜の夜のクラスも併せて開校しました。

ご興味のある方は、こちらからどうぞ。

《発行人》Ellie Grace Toda
《発行元》Ellie's New York Inc.
《ホームページ》http://elliesny.com 日本語のページ
《お問い合わせ》flower@elliesny.com

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        Ellie Grace Toda
Ellie's New York Floral Design
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