★ ごあいさつ
NYの6月7月は、ちょっとは暑い夏日がありましたが、なかなかさわやかな日が続いて、過ごしやすいNYでした。
時々は暑い日がないと夏らしくないので、たまに汗をかいてフーフー言っても、文句は言わないことにしています。
つい先日、ミッドタウンで爆破騒ぎがあり、あわやまたテロかと思いあわてましたが、爆破ではなく爆発だったと。
翌日に、何人かの生徒さんたちが、その爆発を見たとか、その1時間前にそこを歩いていたとか、ちょっと恐ろしいことを聞いてぞっとしました。皆さん、何事もなくよかったですー。
夏になり、本当にお花が持たなくなりました。しっかり水揚げをして、こまめに面倒をみてあげましょう。
そのやり方は、ブログにアップしているので、ご参考にどうぞ。
★ 今月のお花つれづれ
【 夏場の花屋 】
6月は結婚式シーズンのために、花の原価がなかなか高く、強気の値段をつけていましたが、7月になると需要が少なくなるので、また元に戻ります。
子供たちが夏休みになると、それにあわせて親たちもバケーションをとるので、街も道路も比較的静かになります。
だから、花業界も静かです。
そういうときに、もう12月のクリスマスの仕込みを始めましょう、と言われています。
去年のストックがあるか、今年はどういう戦略で行くのかなど、暇な夏のうちに手をうっておくべきと言われています。
毎年、やはりトレンドなカラーが出ますので、花屋もちょっとは勉強しなくてはなりませんね。
毎年、この時期のフローリスト・マガジンの記事には、どうやって花屋の売り上げを伸ばすかと言った内容が載っています。
★ Ellie の7月のアレンジメント
【 トライアングル・アレンジメント 】
トライアングルのスタイルは、フラワーアレンジメントの基本中の基本です。
今回は、日系人でNYにおいて大変活躍された方の、メモリアルサービスの活け込みをいたしました。
最初は、何のイベントかわからず、ただ、大きなアレンジメントを2つ。真ん中に写真をかざるの、とだけ伺っていました。
夏らしいアレンジにしようと思って、黄色のひまわりを入れて7月にふさわしいアレンジにしました。
それに合うように、同系色で色あわせをして、赤のアンスリウムも入れました。
赤のハイペリコム(実のもの)も入っています。それに黄色系のバラ。
とても明るい感じに仕上がって引渡したら、それは、4月に亡くなった方の告別式のためでした。
でも、アメリカのお別れには明るい花を使いますから、何も問題はありません。むしろ、とても明るいアレンジに大変喜ばれました。
60名の方が集まったとのことで、皆さん最後にお花を少しずつ抜いてもって帰られたようです。
こういう公の場での活け込みには、特にデザインに凝る必要はありません。シンプルに基本形を活けた方が喜ばれます。なぜかというと、ほとんどの方は、アレンジがどういうものか、どんな形がトレンドなのかなんてわからないからです。
ですから、こういうときは、丸か三角かオーバルか、という基本形でまとめてあげるとより喜ばれます。
黄色のひまわりとそれに似た花、ブラック・アイド・スーザンという花が入っています。スーザンさんの目がけがしているような意味合いなのかな?
★ Ellieのつれづれ日記− 今月の思い出話
【 花飾りの原点の話・・・の巻 】
私がフラワーアレンジメントを始めるようになったきっかけを作った人が、2人おります。時々、ふっとした時に思い出すことなのですが、やはり私のスタートを促した人がいるのです。何気に始めたフラワーアレンジメント、というわけではありません。
今回は、そんなお話を。。。
私は、大学時代は、ミネソタ州立大学に留学しておりました。その時に、コミュニケーションビジネス科で、博士号を目指していた Machikoさんという方がいらっしゃいました。
そのMachiko さんは、草月流の師範を持っていらして、ある日、とうとうと私に、草月流生け花の魅力を語ったのでした。その話をしたら、Machikoさんは話が止まりません。その当時、私は花には何もまだ興味がなく、母親が小原流を習っていても、影響を受けませんでした。しかし、私はそのMachikoさんに影響されて、すぐにトライしてみたくなりました。
結構、生け花と博士号をめざす女性とのつながりが意外に思えて、へぇー・・・と感心したものです。今思い返すと、なぜそんなことを当時は思ったか、はおかしくなりますけれど。
「草月流は、何でも花材になり得るから、今教えてもいいけど、それにしても花器やその他の材料が足りなすぎる。。。」と、 Machikoさんは言うので、すぐにでも始めてみたくなった生け花は、私の帰国までとどめておくことにしました。
Machikoさんは、花を活けるのはいかに創作性に溢れているか、楽しいかなどを語って聞かせてくれました。それが、私が草月流を始めることになったきっかけです。日本に帰国してすぐに、まずは草月流の先生を探しました。そして始めた草月流。。。
Machikoさんの言うことは本当だった!というのが始めの感想でした。それから、しばらくは、草月流の生け花を週に2回ほど習ったりして、のめりこみました。とても楽しいレッスンが続き、私も師範のはしくれをいただくまでに至りました。
その後、フラワーアレンジメントが徐々に盛んになり、生け花を知った私は、今度はそのアレンジメントに興味を持ち、魅了されていきました。
もう一人の方は、 昔読んだ家庭雑誌の中に載っていた、往年の大女優、高峰美枝子さん。知ってはいましたけれども、雑誌で見た1ページの印象から、すっかりその大女優のファンになりました。もうお亡くなりになられたけれど、昔はスクリーンの女王だったのではないでしょうか。大変上品で、美しい方でした。
このことが、本当の意味で、私が花を始めた原点ではないか、と時々思い返しております。
それは、何かと言うと。。。高峰さんの花の捉え方に感動したということ。
そのページには、高峰さんのすっきりとした部屋とご自分でアレンジされたという、大きくてゴージャスなアレンジメントが掲載されていました。それは、素敵なアレンジでした。高峰さんは、「私の部屋には、飾り物は何も必要ではありません。毎週、生のフレッシュできれいな花が、私の部屋の最高の飾り物ですから」と。
高峰さんは、毎週、フレッシュな花をご自宅に取り寄せて、ご自分で活けていらしたそうです。その花は、すごく豪華でたくさんの花揃いだったことは覚えています。それは、床置きアレンジと言って、台の上ではなく直接床に置くもので、大きくて伸びやかなアレンジメントです。
その何もがとても衝撃的でした。その写真から、私はしばらく目を離せませんでした。私がまだ20代最初のころだったかもしれません。その写真の花は、大きなゆりが入っていたのは覚えていますが、ほとんど花の知識がないときで、たぶん草月流を習い始めたばかりのころだったかもしれせんが、花合わせはほとんど覚えておりません。「私もアレンジメントを習いたい、あんなふうな綺麗な部屋を持ちたい。。。」それは、私の大きな夢となりました。
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これは、かなり昔のことです。私がフラワーアレンジメントを始める前の話ですから。しかし、今でも鮮明にその1ページのことは、覚えています。
すっきりとした、何の絵も置物も家具もない、白くて清潔な部屋。そして、その部屋に大きくて豪華なアレンジメント。花の色がとにかく映えている。高峰さんのエレガントな微笑み。生活の豊かさを感じさせてくれる言葉。。。
花はこうして飾るもの、と私にお手本を見せてくださったような気がします。綺麗なすっきりとした空間に、色豊かな花と季節のもの。私の目指すフラワーアレンジメントとなりました。
私にとっては、フラワーアレンジメントに対する最初のイメージが、高峰さんのあの花!ですから、今でもまだまだ挑戦が続いております。とにかく、豪華で大きくて、花がいっぱいで、豊かな花揃い。そんなアレンジメントがしたくって、今に至っているわけです。
そして、花だけではなく、高峰さんのような豊かな心遣いもまたぜひ真似をしたいものだ、と思います。だって、高峰さんのアレンジと共に写っていた写真の中の微笑みは、とてもエレガントで女性的魅力に溢れていて、私の憧れとなりましたから。
それにまた、高峰さんの生き方、なんともいさぎいいと思いませんか?花以外、何も置かない、何もいらない。花が究極の主役の家。花以外に目をおくところがないのですから、細心の注意と敬意をはらって、丁寧に、丁寧に扱いながら活ける花。こういう贅沢の仕方もあるのか・・・と教えていただいた想いです。
しかし、人生において最高に自分の心が豊かになるもの、大事なものだけを選び抜いて、それを大切にして生きる生き方をするというのは、すばらしいですね。
★ 編集後記
7月22日から約1ヶ月の間、日本へ帰国します。こんなに長く帰国するのは、初めてです。お盆は、父の新盆ですから、ずっと実家です。
NYに戻るのは、8 月末。8月のニュースレターは、例年通り、お休みいたします。9月になって、すっかり秋色のアレンジが始まるころに、またレターをお送りしたいと思います。
7月末に企画していた沖縄のセミナーは、都合により11月末に延期となりました。
いつも私のブログを応援してくださって、ありがとうございます。日本滞在中もまたなんとかブログのアップをしたいと思っておりますので、時々はのぞいて見てくださいね。
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それでは、皆様、また来月まで、ごきげんよう。
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★ お知らせ
☆ 今月号のニュースレターはいかがでしたでしょうか。ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております。今後の発行の参考にさせていただきますので、ぜひお声を寄せてください。
☆ 12/19/03号からNYジャピオンにフラワースクールの広告を載せ始めました。現在は、毎月の第2と第4週目のNYジャピオンに広告掲載しています。
☆ 2003年の6月にEllieのアレンジメント教室、Ellie’s New York Floral Designを開校しました。月に1回の「季節の花」を活けるクラスも新設しました。初心者からプロになりたい方まで指導する教室です。現在は、マンハッタンの新スペースにて、金曜の午前と午後クラス、木曜の夜クラスも併せて開校しました。ご興味のある方は、こちらからどうぞ。
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