★ ごあいさつ
夏休みが過ぎて新学期が始まったと思ったらもう1ヶ月もたちます。これから、あっというまにハローウィーン、サンクスギビング、クリスマスときてしまいそう。お花でいったら、超かせぎどきのシーズン。これから一気に年末まで駆け抜けそうです。
日本から親友家族が遊びにきていて、一緒になって浮かれて遊んでしまいました。心から信頼する友人とじっくり飲む時間を与えられて、お金は一緒になって使ってしまいましたが(!)とても楽しいひとときで、私もリフレッシュでき、またまた元気百倍?です。でも、それでまたレターが遅くなるのもどうしたものか・・・と情けなく思っているところです・・・。
★ 今月のお花つれづれ
花とは全く関係ありませんが、8月の私の誕生日1日前に、長くのびてしまってもてあましていた髪を、ばっさり切りました。
そして、新生な気持ちで!○○歳の誕生日を迎えました。新しい何かが今年は起こるかな?という期待を込めて、けっこう意気込んでいる私がいました。
そうしたら、そのすぐ後に、NYジャピオンの編集長の大山さんから久しぶりに連絡があり、8/20号の巻頭特集、「新しいこと始めよう」のインタビューの申し入れがありました。
お聞きすると、「主婦や働く女性をメインの読者に、駐在などの短期滞在の方々には“ニューヨークで過ごす時間を有意義に過ごそう、そしてニューヨークの後の人生にも役に立っていくようなきっかけを探そう”、長期にニューヨークで生活する方々には、“人生を豊かにする時間を持とう、好きなことにチャレンジしよう”と感じていただくきっかけになる記事を提供したい、」とのことでした。
なるほど、そうしたら私がまさにぴったり、というわけです。私は実際に、駐在員の妻の立場で楽しく花を学んでいるうちに、子供の手が離れてきたと同時に、何か私にできることでもっと充実感を味わえて、しかもライフワークになるようなことをしたいと思い始めたときに、改めて!見直したのが、お花だったわけですから。
「これは、エリーさんしかいない!」と言ってくれた大山編集長とのインタビューはとても楽しく、なごやかにお話するうちに、20分間の予定があっというまに1時間もたってしまっていました。大山さん自身、7歳の男の子の母であり、働く女性でありますから、共通点がいっぱいです。しかも、今回で3回目のNYジャピオン登場になるので、以前も大山さんからのインタビューもあったし、私の方はすっかりリラックスして楽しんで話してしまったように覚えています。
大山さん:
- 「フラワーアレンジメントを教えていて一番楽しく感じることは、何ですか?」
エリー:- 「私が今まで習ってきたことを、興味があって習いたいと思う人に伝えることで、その人にもともと備わっていたものが引き出されて、花開くのをお手伝いできることを一番嬉しく思っています。」
そう、自分が楽しいと思うことをしているとき、人は自分の新しい可能性を感じるものだ、と思います。いやでたまらなく、義務感でしていることに対しては、決して想像力もわいてこないし、時間の無駄と思えます。しかし、自分の心引かれる、楽しいと感じることをしているときは、時間も忘れ、没頭でき、それは充実したときを過ごすことができます。
私は、お花のテクニックをしっかり身につけた人たちからは、アレンジの次の段階の“創造性”が自然に引き出されてくるのをいつも見せていただいております。これは、一番初めに、「将来のために、花でも教えようか・・・」などと、けっこう不埒な考えのもとにはじめた先生業の時には、実は、お花を教えることは、このような創造性を引き出すお手伝いをしているのだ、ということに全く気がつきませんでした。
最近、私は、私の尊敬する人から、「Creativity=クリエーティビティ(創造性)とは、自分が持っているものをExtend=エクステンドするもの(引き伸ばすこと)である」と学びました。全くその通りです。実際にいつも私の目の前で起こっているから、超納得でした。Creativityとは、自分に何もないところに突然に、または偶然に現れるものでは決してありません。自分にもともとあったものが、好きなことを楽しくしているうちに、引き出されるものなのです。
私は、このことを学んだ後に、ジャピオンを通してみなさんにシェアーすることができてとても嬉しく思いました。私は、意識もないときに、昔楽しく学んでいたものが、あるとき、“私のタイミング”とぴったりあったときに、お花を通して私自身の創造性が引き出され、今こうして花が大好きという皆さんたちの創造性の開花のお手伝いをしていることに誇りを持っています。
「お花、とっても楽しいです!」 「はまりました!」と生徒さんたちから言ってもらうと、涙が出るほど嬉しくなります。
このテーマは、もっと奥が深いもので、今回はちょっとさわりだけ、という感じでしかご紹介できません。また折を見て、テーマにしたいと思っております。
ご興味の方は、私のインタビュー記事を読んでみてください。あの1時間もの長い話が、大山さんの手にかかると、こんなに短く読みやすいものにかわるのか、と感心しました。私のサイトを見ると、元気がでてくると言ってくださる大山さんにも感謝です。
★ Ellie の9月のアレンジメント
大きな大きなお顔がまっすぐのびたひまわりを見つけました。ひまわりには、ブルーのデルフィニウムがよく合います。
大きなひまわりをざっくりと壷に活けてみました。オアシスがぼろぼろになる可能性が高いから、今回はオアシスを使わずにだいたん壷活けです。
夏のなごりという感じのアレンジです。日本ではまだ暑さが続いたり、台風がきたりして残暑だそうですね。早く、すずしくなーれ、と祈りを込めて・・・。
★ Ellieのつれづれ日記− 今月の思い出話
「究極の前向き主義!」の巻き
私の周りには前向きな考えを持つ人がとても多く、それも“超”がつくくらいすごい人たちばかりです。その中で、最近出会ったすごかった話をシェアー(分かち合うという意味)したいと思います。
先日の私の花のスクールの夜クラスでのこと。美人で聡明な生徒のKさんがいつもより少し遅れてきました。久しぶりのレッスンで、また夏休み明けだったため、夏はどうしてた、こうしてた、と言う近況報告から始まり、いつも通りレッスンが始まりました。
夏休みには彼女は日本からの友人と一緒にコペンハーゲンに旅行したとのことで、とても楽しかったそうです。しかし、チェックアウトの時に彼女の荷物が間違えられてどこか他の都市に持っていかれてしまい、つまり、ポーターが間違えて別の便行きにのせてしまったようで、身動きがとれなくなってしまったとか。
そこで、しかたなく、荷物が戻るまでまたもとの部屋に戻り、それから行くはずだった予定地をキャンセルしてまたコペンハーゲンに滞在することになったそうです。自分の着替えその他一式手元から消え、それは困ったことでしょう。
しかし、その話でもまるで他人の話のように淡々と、しかしなかなか楽しそうに?話すのがとても印象的なKさんです。ま、人生、そんなこともあるのかな?っていう感じなのでしょう。普通だったら、まゆをしかめていやーな顔して話すと思いますが、まるでそのようなことは見えません。
「ま、思いがけずもゆっくりとコペンハーゲンが見れてよかったかな、って思いますよ。」ですって。普通は大騒ぎすると思うし、こんなことで楽しい旅行の思い出が掻き消えてしまうことだってあるのにね。たいしたものです。
しかし、驚いたのはその後。
その日のレッスンは、彼女のアドバンス・コースでは“クレッセント”のスタイルを活けました。彼女は、久しぶりだから最初は少々緊張していたようですが、大変上手にバランスよく、クレッセント型が出来上がりました。そして、大満足の様子。私も嬉しいです。
「先生、実はついさっき、会社が終わってここにくる間に事故にあって私の車がぶつけられて、それで遅れてしまったんですよ。」
「えーっ、あなたが? いったいどうしたの? 体は大丈夫なの?」彼女が顔色も変えず、(いや、たぶん彼女は動揺していたはずですが、見せなかったから)あまりにも淡々と話すので、最初は信じられませんでした。
彼女いわく、Kさんが左車線を走っていて、いきなり右車線のバンタイプの車が、右前方にガツンとあたってきたそうです。Kさんの車は、普通の乗用車タイプなのでかなりダメージが大きく、ぐっしゃりやられたそうですが、相手の車は大きくてがっちりしていたからほとんど傷も目立たずだったらしく、彼女は打たれ損でした。
相手方の言い訳としては、右の路地から急に出てきた車があったので、しかたなくとっさに左にハンドルをきった、とのこと。Kさんは、ポリスに落ち着いて自分の状況を話すことができて、「さて、ポリスレポートにはいったいどう書かれるのでしょうね。」そのポリスが報告するそのレポートいかんで、彼女の過失があるか、どれだけ保険でカバーされるか決まるそうですから、気になるところです。
「あと、1ヶ月後にちょうどリースがきれるところだったのに、残念。」と彼女は言っていましたが、さてさて、その時の彼女の様子は、一部始終一貫して淡々と、まゆもひそめずに話していたのです!
「す、すっごいポジティブ。」いったい、この人の精神構造はどうなっているのだろう?と大変驚き、そしていたく感心しました。
私も一瞬なんていってフォローしていいか、どうなぐさめたらいいかわからなくなり、「よく、落ち着いてポリスを呼んだり、報告できたりしたわねぇ。不幸も小出しにするといいって言うじゃない?(本当かな?)いっぺんにどかんと大変なことがくるよりもいいかもね。それで何か学びなさいってことだからね。」なんて言ったら、
「本当にそうですよね。以前にやはり同じようにぶつけられたことがあったんですよ。それも大きなスーパーの駐車場で向こうからつっこんでこられて。だから今回もあわてずに対処できたんですよ。」とのことでした。
なーるほど、やはり経験とは大事なものです。その点、私はそういった恐ろしい経験はしたことがないので、いざ事故にあったらどんなにあわてふためくことか。
「さすがに、このクラスの前に歯医者の予約があったので、それはキャンセルしましたが、お花もどうしようか、と一瞬迷いましたが、こういう時だからこそ、敢えてお花に来たいと思ったんですよ。でも、やはり来てよかったー。お花に触っているうちに気分がよくなりました。」
「偉い!」
嬉しいことを言ってくれるじゃないですか! 私は思わず余っていたその日の花を束ねて、「はい、頑張ったプレゼント。ほんと、よく来たねぇ。キッチンにでも飾ってね。その出来たクレッセント型はリビングルームにね。」私は涙がでてきそうになっていました。クラスを持っていてよかったなー、って思える瞬間です。
Kさんは、「まぁ、ほんとにきてよかったわ。」と喜んで花束を受け取ってくれて、ますます嬉しそう。外を見ると、見慣れない大きなバンの車が止まっていて、「急遽、レンタカーで借りたら、今はあんな大きな車しかないっていうから、しかたなく運転したけど、なかなか乗り心地いいですよ、あの車。こんな時でもないと、こんな車は運転できないから、それもいいかなって思って。」なんて言うんですよ。すごいですよね。まいりました。
久々に胸うたれる出来事でした。
いったいどうしたらあんなに落ち着いて、一見した不幸を不幸ととらえず、前向きに考えられるようになるのでしょうね。
きっと、彼女の周りにもたくさんそう考えられる人がいるのでしょう。そして、ご両親やご家族もきっと同じように前向きに明るいのだろう、と思います。こういった考え方は、私は、一種の「考え方のくせ」というものだと確信しています。Kさんには完ぺきにこの素質が備わっているのです。
つまり、何事も前向きにとらえる“くせ”が日頃から出来ているかどうかで、自然に前向き主義ができてくるのではないでしょうか。その反対に、なんでも暗く、悲観的にとらえる人がいますよね。こちらの方が圧倒的に多いと思いますが。
状況をどの角度から見て、どういう判断をくだすのかは自分の選択です。皆が同じように考えるとは限らないのです。自分が前向きにとらえたい、と思ったら「いったいこのことから私は何を学ぼうとしているのだろう?」という考え方はできますか?
このような考え方を身につけた人が勝ち!と私は思います。人生、何も無駄なことはない、と先人たちがいいますよね。その時は、自分の陥った状況を信じることができなくて悩むことがありますが、あとから考えると、あぁ、あれは経験してよかったことなのだ、と思えることってありますか?
私は、最近になって自然にこういった考えを持てるようになってきたように感じています。それも何年もかけて、徐々に、徐々にできてきた賜物です。昔は、何事も気にするたちで気分のムラが激しく、自分のそういった性格をきらっていました。
NYに来てまもなく知り合った友人が、とてもおおらかな人で、何事も明るく前向きにとらえる人でした。そして、彼女から紹介される友人たちもまた同じように超ポジティブな人たちばかりでした。ですから、最初は、「いったいどうしたらそんなに明るくいられるの?」と驚くことばかりでしたが、そのうちに、私まで影響されて同じように、自然と何でもポジティブにとられることができるようになってきたようです。
やはり、こういう考え方のくせは、一朝一夕に身に着くわけではありません。常に、少しずつ、ちょっとずつ変わっていくものですから、いかに自分の身を置く環境が大事か、考えさせられます。まわりからいかに影響を受けるかを物語っているな、と思います。私は、とても得した気分です。
私は母親として、やはり子供たちにも同じようにポジティブ志向を身につけてほしいと思いました。そして、“徐々に”の私の努力の結果?今や息子たちは私を超える前向き主義に育つのではないか、と思えるほどです。嬉しいことです。
最近では、私に会ったり、私と話したりするとみんな「元気がでた。明るくなった」と言ってくれることが多くなりました。自分では不思議な感じがします。そういわれると「そうかな?」と疑う気持ちもありますが、今はありがたく受け止めることにしています。
そして、最近の私は今またさらに私の上をいく超ポジティブな考えを持つ人たちにどんどん出会っています!さてさて、私はいったいこれからどうなっちゃうのでしょうか???
気になる?(だれも気にしていないか・・・)続きは、またいつかということで、今回はこの辺でペンをおくことにします。
PS:
<ポジティブ・シンキング(考え方)を身につける一つのコツ!>
それは、夜寝る前に、今日あった嬉しかったこと、ありがたかったこと、感謝することを10個あげてみること。(えーっ、10個ないって。では、できるだけ)
人は、いやなことは神経を苛立たせるため、いつまでもしつこく覚えているものですが、楽しかったことや喜びを想い起こすことが、精神を健康に保つためにはより重要なのだそうです。そして、幸せな気分になったら、「神様ありがとう、」と感謝して、ゆったりとした気分で眠りにつくことが出来るようになると、きっと前向き主義の達人となる日は近いことでしょう。
(これは、一つの方法論に過ぎませんから、効果のほどには責任もてませんが、試してみる価値はありますよ。そして、試してみたらぜひ報告くださいね。)
★ 編集後記
☆ 前回の終わりに書いた、「脂肪燃焼ダイエット」。トライしてみました。
たった1週間のダイエットだからなんとかできたのですが、その後が続かない。野菜スープを中心にご飯類と油物をとらないダイエットですが、胃袋が小さくなったのはいいですが、なんと腸の調子がイマイチに。
1週間でウエストが4cmも細くなった喜びもつかの間。1ヵ月後に友人が来て一緒に飲み歩いた結果・・・。言うのはやめることにします。
今度は、ビクラムヨガ(スチームの中でのヨガ)に挑戦してたるんだ肉体と精神を鍛えようかと、またまた密かに計画中であります。挑戦したあかつきにはもしかしたら嬉しい?報告ができるかもしれません??
来月まで、ごきげんよう。
それでは、皆さん、私にメールくださいね。励みになりますので。よろしく!
★ お知らせ
☆ 今月号のニュースレターはいかがでしたでしょうか。ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております。今後の発行の参考にさせていただきますので、ぜひお声を寄せてください。
☆ 12/19/03号からNYジャピオンにフラワースクールの広告を載せ始めました。現在は、毎月の第2と第4週目のNYジャピオンに広告掲載しています。
☆ 2003年の6月にEllieのアレンジメント教室、Ellie's New York Floral Designを開校しました。月に1回の「季節の花」を活けるクラスも新設しました。初心者からプロになりたい方まで指導する教室です。現在は、マンハッタンの新スペースにて、水曜の昼と夜のクラスも併せて開校しました。ご興味のある方は、こちらからどうぞ。
《発行人》Ellie Grace Toda
《発行元》Ellie's New York Inc.
《ホームページ》http://elliesny.com 日本語のページ
《お問い合わせ》flower@elliesny.com
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