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ごあいさつ
「今月の花」― パンプキン ツリー ―
10月の「ブーケ・イン・ア・バスケット」
Ellieの ハローウィーン・ アレンジメント
お知らせ
編集後記
ごあいさつ

さてさて、もう10月ではありませんか。比較的暖かな気候が続いているから、NYの色づきはまだ始まりそうもありません。10月の半ば頃は、それは見事な紅葉が見られる東海岸。雄大な光景が視界いっぱいに色、色、色、と広がります。日本のような赤のもみじは少ないですが、黄色とオレンジの混ざり具合がなんとも大陸的!と思ってしまいます。今年は少し足を伸ばして、ボストン方面へ紅葉狩り? に行ってみようかと計画中。ついでにビッグなロブスターにもありつければ・・・と美味しい話も企てていますが、さてどうなりますか・・・。

10月31日はハローウィーンです。アメリカのおばけがおおいばりで暴れる日? フランケンシュタインあり、魔女あり、ガイコツあり・・・なんかちっとも怖くなくてむしろほほえましくかわいいんですね、これが。子供たちが仮装して騒ぐから。“Trick or Treat” (お菓子くれなきゃ、おどかすぞー!の意味)と言って、家々を廻ってお菓子をいっぱいもらい歩きます。その後は大変!子供の虫歯が増えて歯医者さん通いが始まったりします。アメリカの子供たちが大好きなお祭りです。

お花を活けるとなると、こどものかぼちゃ型のバスケットに秋の花を入れたり、紅葉した枝物を活けてマム(菊)や実の物を入れたり、本物のかぼちゃをくり抜いて花を活けこんだりしても楽しいでしょう。今回は、私はこの季節ならではのパンプキンツリーを活けこみました。しっかりした茎にちいさなかぼちゃが鈴なりになっていて、思わず皆「これ、本物?」と聞く花?いや、枝木です。実がたくさんついているから重くて、上のほうに使ったり、ななめに大きく挿したりしにくいですから、やはり安定よく下のほうに入れるようになります。この木は、日本では見たことがありません。アメリカならではのお祭りに花、ハローウィーンはやはり、「アメリカ」ですね!!

「今月の花」 パンプキン ツリー

10月の声を聞くと決まって入荷する枝物、パンプキンツリー。これを見つけると、あぁもうすぐハローウィーンなんだ、と思い出させられます。この季節ならではの木。季節感を充分に与えてくれます。また、オレンジの色が鮮やかで元気が出そう。元気いっぱいのアレンジをぜひ活けてくださいね。

さて、活けようと思って何気なく手に取ると、薔薇のような鋭いとげにぐさっとやられます。まず、とげを落とさないといけません。すると、これはたぶん薔薇科なのでしょうね。すっかり同じような枝に全く同じとげがついているのですから。そして、頭の重いこと。思ったところにうまく入れるのに少し頭を使います。でも、とても季節感が味わえて楽しいものです。年に一度だけ楽しんで活ける花もいいですね。

パンプキンツリーについての詳しくは、HPの“What's New?”のページに「今月の花」の特集に掲載しております。

10月の「ブーケ・イン・ア・バスケット」

今月もまた特別に、持ち運びやすくかわいいバスケットアレンジを特別価格にて提供いたします。いつもの「ブーケ・イン・ア・バスケット」よりはこじんまりとしていますが、ギフトとしては大変人気の高い「スリー・サイド・アレンジメント」というアップライト風のアレンジです。お楽しみください。

Ellieのハローウィーン・ アレンジメント

4月から、トラディッショナルなスタイルを意識したアレンジメントを順次ご紹介しています。4月は、伝統的で、基本的なアレンジメントの代表でもある「トライアングル」。そして、5月は「Lシェープ」。6月は、取っ手のついたバスケットに活けたセンターピースの「ラウンド」。7月は、上級者用の「ハンド・タイド・ブーケ」、9月は「アシメトリカル・トライアングル」− 不等辺三角形をご紹介しました。そして、今月はラウンドの「フレンチスタイル」というネーミングのセンターピースです。

さて、ハローウィーンのための基本的なスタイルは何をご紹介しようかと考えながら花の仕入れに行ったとき、「Red Intuition」(赤の直感?と言う意味)という真っ赤で島縞模様の高価な薔薇が目に止まり、思いがけずも買ってしまいました。本当はオレンジを主体にしたアレンジを、と考えてはいたのですが、もう手が勝手に動いたとしか言えません。絶対に赤のフレンチスタイルと即、決めてしまいました。ですから、これはハローウィーン用とは言えないかもしれませんね。以前、花の仕事仲間がどこかの金持ちのユダヤ人の結婚式のために、「真っ赤の薔薇だけ72本のセンターピースを32テーブル分を活けた。それはそれは圧巻だった。」と話していたのを思い出し、なんか私も挑戦してみたくなったのです。赤の薔薇は種類も豊富で、それぞれ若干色合いも違うのであらゆる名前がついています。今回のフレンチスタイルは、そんな赤のオンパレードでまとめる活け方です。上から見たらまん丸ですが、トップは横の長さよりも少し短くとり、横から見たらなだらかな楕円形を描くような丸に薔薇だけで作っていきます。頭首が繋がるように、でこぼこ感がでないようにあくまでもなだらかに曲線が繋がるように活けるということです。

今回のアレンジには、3種類の赤、「Red Intuition」の縞模様と「Cherry Love」という少々ダークピンクっぽい赤と、「Rouge Baiser」というエンジがかった赤、合計32本を活けています。写真では若干の色の違いがおわかりになるでしょうか。この3種の薔薇は大きく咲き開くので大輪の薔薇として名が通っています。いわゆるパーティ用の活けこみには最適で、大変豪華でインパクトも強く、ですから値段も高く設定できます。実際に、このアレンジは300ドルもの価値があるものです。1テーブルに300ドルもかけてパーティをするなど、庶民的感覚では到底想像もできませんが、NYでは決して珍しいことではありません。真っ赤々のウェディングもあるくらいですから。もちろん、花嫁が持つブーケも真っ赤なんですよ!

活け方のコツとしては、とにかく2-3日前から充分に水揚げをして、大きく花を開かせること。活ける当日には、大輪の薔薇になっていることが重要です。そうじゃないと、赤の薔薇が何本あっても足りません、という貧弱なアレンジになってしまいます。人にお見せする日、パーティの当日が最高の咲き具合、というふうに持っていくことです。一番最初に習う「ラウンド」を思い出しながら、空間を薔薇だけで埋めていってなだらかな曲線を描くように作ってみてください。

さて、今度は、スペシャルのハローウィーンのアレンジメントです。パンプキンツリーのオレンジを基調に色合わせをして、エンジ色や茶色なども入れ込みます。アクセントとして中央に少しピンクとブルーの花も入れてあります。がまの穂がなんとも秋らしさを出してくれますね。元気いっぱいのひまわりがダイナミックなアレンジを創り出します。直線のラインが多い花ばかりなので、活け方も敢えて挑戦せずにトライアングル風にまとめました。その代わり、私の黒のスカーフを巻きつけて、オレンジ色の葉っぱを散らし、オレンジと黒のキャンドルも灯して、気分的にはハローウィーンという感じに仕上げました。大きな大きなアレンジになりました。縦も横も92cmという大きさです。最近はアメリカサイズのグランドスケールという大きさがとても挑戦的で気に入っているものですから。

友人は、パンプキンツリーを見て、「まるでハローウィーンの為に生まれてきたようなものだね」と言います。また、「人が作ったみたいでしかもユーモラス」だとも。本当にそうですね。まるでおもちゃのような小粒なかぼちゃのなる花?というか枝です。10月31日がなんかとても楽しみになってきました。

お知らせ

今月号のニュースレターはいかがでしたでしょうか。ご意見、ご感想、ご要望をお待ちしております。今後の発行の参考にさせていただきますので、ぜひお声を寄せてください。

来月号は、味覚の秋、感謝祭のアレンジメントです。美味しそう(?)なアレンジに仕上げてみたいものです。どうぞお楽しみに。それまで、ごきげんよう。

6月にEllieのアレンジメント教室、Ellie’s New York Floral Design を開校しました。月に1回の「季節の花」を活けるクラスも新設しました。初心者からプロになりたい方まで指導する教室です。ご興味のある方は、こちらからどうぞ

www.elliesny.com/flowerschool

来月からの定期購読をご希望の方は、 以下のHPの申込書からお申し込みください。

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《発行人》Ellie Grace Toda
《発行元》Ellie's New York, Inc.
《ホームページ》http://elliesny.com 日本語のページ
《お問い合わせ》flower@elliesny.com
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編集後記

最近、花の改良が進んだせいか、マム(菊)の種類が豊富になり、大変素敵なマムを多く見かけるようになりました。今までは、なんだマムか、なんて少々見下していたのですが、なかなかの色合いや存在感に少し考えが変わってきました。本格的な秋の始まりは、マム(菊)とともに・・・。さて、NYの今年の紅葉はどんな具合でしょうかね。来月は、ぜひマムを華麗に活けこんでみましょうか。